WT9-S15歴史総合・世界史探究 対策問題

世界史探究E 地球世界の課題(4) 地球世界の課題の探究

奴隷制・強制労働の歴史について述べた文として適切でないものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 3

正解

奴隷制は古代にのみ存在し、近代には存在しなかった

この問題のポイント

奴隷制・強制労働の歴史の誤文を見抜く。奴隷制は古代だけでなく、近代にこそ最大規模化したという逆説の理解が核心。

解説

前提として、この問題は「適切でないもの」を選ぶ誤文判定であり、「近代=自由と進歩の時代」という通念を疑えるかを試している。
誤りは「奴隷制は古代にのみ存在した」という選択肢である。実際には、大西洋奴隷貿易により16〜19世紀に1000万人以上のアフリカの人々が新大陸へ連行され、奴隷制は近代にこそ最大規模化した。
他の選択肢は正しい。

  • スペイン領アメリカではエンコミエンダ制やポトシ銀山のミタ(強制労働)が行われた
  • 奴隷制廃止後も、インド系・中国系の年季契約労働者(クーリー)という不自由な労働が続いた
    自由の理念が広がった近代に、不自由労働も同時に拡大したという逆説が核心である。現代の人身取引まで、強制労働は形を変えて存続しており、過去の話ではない点も探究的な論点となる。

ひっかけポイント
「古代にのみ」という限定表現が誤りの目印。奴隷貿易の最盛期は近代(17〜18世紀)であり、古代の制度という思い込みを突く出題である。

選択肢の確認

①「スペイン領アメリカでは先住民の強制労働が行われた」
記述としては正しい(選ばない)。
スペイン領アメリカではエンコミエンダ制やミタ制のもとで先住民の強制労働が行われた。適切な記述である。

②「奴隷制廃止後も年季契約労働などの不自由な労働は続いた」
記述としては正しい(選ばない)。
奴隷制廃止後もインド系や中国系の年季契約労働が広がっており、不自由な労働は形を変えて続いた。適切な記述である。

③「奴隷制は古代にのみ存在し、近代には存在しなかった」
正答。記述としては誤り。
奴隷制は古代に限られず、近代の大西洋奴隷貿易でこそ最大規模となった。この記述は事実に反するため、適切でないものとして正解となる。

④「大西洋奴隷貿易でアフリカから多数の人々が連行された」
記述としては正しい(選ばない)。
大西洋奴隷貿易でアフリカから多数の人々がアメリカ大陸へ連行されたのは事実であり、適切な記述である。

覚えるポイント

  • 大西洋奴隷貿易で奴隷制は近代に最大規模化
  • スペイン領ではエンコミエンダ・ミタの強制労働
  • 廃止後も年季契約労働(クーリー)が継続

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 否定形を明示:「誤り」を選ぶ問題なので、選択肢ごとに時期・主体・内容を照合し、正しい三つにも根拠を付けてから残る一つを選ぶ。

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