WT9-S20|歴史総合・世界史探究 対策問題
都市の歴史について述べた文として適切でないものはどれか。
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正解: 3
正解
産業革命期の都市では衛生環境が急速に改善し、伝染病は根絶された
この問題のポイント
都市の歴史の誤文を見抜く。産業革命期の都市は衛生環境が劣悪でコレラが流行しており、急速改善・根絶は事実に反する。
解説
前提として、この問題は「適切でないもの」を選ぶ誤文判定である。
誤りは産業革命期の都市に関する選択肢である。実際の産業革命期の都市は、農村からの人口流入に住宅・上下水道の整備が全く追いつかず、過密と汚水の中でコレラが繰り返し流行する劣悪な環境だった。ロンドンの医師スノウが井戸水と感染の関係を突き止めた調査は、疫学の出発点として資料問題の定番である。公衆衛生の本格的な改善は19世紀後半以降であり、伝染病の根絶は現在も実現していない。
他の選択肢は正しい。
- 中世ヨーロッパの都市は特許状により自治権を得ることがあった
- バグダードや長安は人口100万に達したとされる前近代の大都市
- 20世紀後半には途上国でメガシティ化が進んだ
進歩の時代=すべて改善という単純化を突く、共通テスト頻出の誤文パターンである。
ひっかけポイント
「急速に改善し根絶された」という全面肯定の表現が誤りの目印。産業革命期はむしろ都市環境の悪化とコレラ流行の時代である。
選択肢の確認
①「バグダードや長安は人口100万に達したとされる大都市だった」
⭕ 記述としては正しい(選ばない)。
アッバース朝のバグダードや唐の長安は人口100万に達したとされる大都市であり、適切な記述である。
②「20世紀後半には途上国で都市人口が爆発的に増加した」
⭕ 記述としては正しい(選ばない)。
20世紀後半には途上国で都市人口が急増しメガシティが生まれており、適切な記述である。
③「産業革命期の都市では衛生環境が急速に改善し、伝染病は根絶された」
✅ 正答。記述としては誤り。
産業革命期の都市は人口集中に上下水道の整備が追いつかずコレラなどが流行した。改善は19世紀後半の公衆衛生運動以降であり、根絶もされていないため適切でない記述である。
④「中世ヨーロッパの都市は自治権を獲得することがあった」
⭕ 記述としては正しい(選ばない)。
中世ヨーロッパの都市は特許状を得て自治権を獲得することがあり、適切な記述である。
覚えるポイント
- 産業革命期の都市は過密・不衛生でコレラが流行
- スノウの疫学調査が公衆衛生の起源
- バグダード・長安は人口100万級の前近代都市
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 否定形を明示:「誤り」を選ぶ問題なので、選択肢ごとに時期・主体・内容を照合し、正しい三つにも根拠を付けてから残る一つを選ぶ。