WT9-S10|歴史総合・世界史探究 対策問題
感染症が歴史に与えた影響の事例として適切でないものはどれか。
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正解: 4
正解
ペストの流行が産業革命を直接引き起こした
この問題のポイント
感染症と歴史の因果の適否を問う。ペストと産業革命を直接結ぶのは400年の飛躍であり、誤りと見抜けるかが核心。
解説
前提として、この問題は「適切でないもの」を選ぶ誤文判定であり、もっともらしいが因果が飛躍している選択肢を見抜く力を試している。
正しい事例は次の3つである。
- 天然痘:16世紀、スペイン人が持ち込みアメリカ先住民の人口を激減させ、征服を容易にした
- 黒死病(ペスト):14世紀ヨーロッパで人口の約3分の1が死亡。労働力不足で農民の地位が上がり、荘園制の解体を加速した
- スペイン風邪:1918〜19年、第一次世界大戦末期に世界で数千万人が死亡した
一方、14世紀のペストと18世紀後半の産業革命は約400年も離れており、「直接引き起こした」と結ぶのは因果の飛躍である。
時代の隔たりに注目すれば機械的に排除できる。誤文判定では「直接」「すべて」などの強い表現を疑うのが鉄則である。
ひっかけポイント
ペスト→荘園制解体(正しい・同時代の因果)と、ペスト→産業革命(誤り・400年の飛躍)の区別が核心。「直接引き起こした」という強い表現に注目する。
選択肢の確認
①「天然痘がアメリカ大陸の先住民人口を激減させた」
⭕ 記述としては正しい(選ばない)。
16世紀に天然痘などの疫病がアメリカ大陸の先住民人口を激減させたのは事実であり、適切な事例である。
②「14世紀のペストが荘園制の解体を加速した」
⭕ 記述としては正しい(選ばない)。
14世紀の黒死病による人口激減は労働力不足を招き、農民の地位向上と荘園制の解体を加速させた。適切な事例である。
③「スペイン風邪が第一次世界大戦末期に世界的に流行した」
⭕ 記述としては正しい(選ばない)。
スペイン風邪は1918年から19年に世界的に流行し、第一次世界大戦末期の社会に大きな影響を与えた。適切な事例である。
④「ペストの流行が産業革命を直接引き起こした」
✅ 正答。記述としては誤り。
14世紀のペストと18世紀後半に始まる産業革命は約400年隔たっており、直接の因果で結ぶのは飛躍である。これが適切でない記述であり正解となる。
覚えるポイント
- 黒死病(14世紀)は荘園制の解体を加速
- 天然痘が新大陸の先住民を激減させた
- 時代が大きく離れた直接因果は誤文と疑う
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 否定形を明示:「誤り」を選ぶ問題なので、選択肢ごとに時期・主体・内容を照合し、正しい三つにも根拠を付けてから残る一つを選ぶ。