RN6-035公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(3) 社会契約と啓蒙

ルソーの文明批判についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

文明社会がもたらした不平等を批判し、自己愛と憐れみの情をそなえた自然状態の人間を理想とした

この問題のポイント

ルソーの文明社会批判を問う問題。「自然に帰れ」と要約される思想の内容、すなわち自然状態を善とみる人間観がポイントである。

解説

ルソーは『人間不平等起源論』で、ホッブズとは逆に、自然状態の人間を肯定的に描いた。自然人は、自分の生存を大切にする穏やかな自己愛と、他者の苦しみをいたわしく思う憐れみ(あわれみ)の情をそなえ、自由で平等に生きていた。
ところが、私有財産の発生とともに人間の間に富と力の不平等が生まれ、文明社会では人々は他人との比較の中で虚栄心にとらわれ、堕落していったと論じた。
こうした文明批判は「自然に帰れ」という標語で要約される。それは原始生活への回帰ではなく、失われた自然な自由と平等を、社会契約による正しい共同体や、教育論『エミール』が説く自然に即した教育を通じて回復しようとする思想であった。
文明の進歩がかえって人間を不幸にするというこの視点は、進歩を自明の前提とする啓蒙思想への内部からの批判でもあった。

ひっかけポイント
自然状態=闘争とみるのはホッブズであり、ルソーは正反対に自然状態を平和とみて、不平等の起源をむしろ私有財産と文明に求めた。

選択肢の確認

①「私有財産制の確立によって、人間の間の不平等は最終的に解消されたと論じた」
誤り。
誤答理由: ルソーは私有財産制こそ不平等の起源だとしたのであり、不平等を解消したという記述は正反対である。

②「文明社会がもたらした不平等を批判し、自己愛と憐れみの情をそなえた自然状態の人間を理想とした」
正しい。
正解。ルソーは『人間不平等起源論』で、自己愛と憐れみの情をそなえた自然状態の人間を理想とし、私有財産に始まる文明社会の不平等を批判した。

③「自然状態は万人の万人に対する闘争であり、文明こそが人間を救ったと論じた」
誤り。
誤答理由: 自然状態を万人の万人に対する闘争とみるのはホッブズであり、ルソーは正反対に自然状態を平和で幸福な状態として描いた。

④「科学と芸術の進歩が人間の道徳を着実に向上させてきたと礼賛した」
誤り。
誤答理由: ルソーは学問芸術論で科学と芸術の進歩がかえって人間を堕落させたと論じており、進歩の礼賛はルソーの立場と逆である。

覚えるポイント

  • ルソー『人間不平等起源論』=不平等の起源は私有財産
  • 自然人は自己愛と憐れみの情をもつ善良な存在
  • 「自然に帰れ」=自然な自由と平等の回復を目指す

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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