RN8-006|公共・倫理 対策問題
ニーチェによるキリスト教道徳への批判として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
弱者が強者に対して抱くルサンチマンから生まれた奴隷道徳であると批判した
この問題のポイント
ニーチェのキリスト教道徳批判の論理を問う。ルサンチマン(怨恨)と奴隷道徳という2つのキーワードの結びつきが核心。
解説
ニーチェは、キリスト教の道徳の成り立ちを心理的に分析した。現実の力で強者にかなわない弱者は、強者への妬みや恨み、すなわちルサンチマン(怨恨)を心に抱く。そして、その恨みを直接晴らす代わりに、価値の方をひっくり返した。すなわち、強さ・誇り・豊かさを悪とし、従順・謙遜・貧しさを善とする道徳を作り上げ、想像の中で強者に復讐したのである。
ニーチェはこのようにして生まれた道徳を奴隷道徳と呼び、キリスト教の説く同情や隣人愛の道徳がその典型だと批判した。それは生命の自然な力強さ、すなわち力への意志を否定し、人間を弱く画一的にする道徳だからである。
この批判は、「神は死んだ」というニヒリズムの宣言、そして新しい価値を創造する超人の思想と一体のものである。道徳を無条件の前提とせず、その系譜を疑ってみせた点に思想史上の意義がある。
ひっかけポイント
隣人愛の不足を嘆いたのではなく、隣人愛の道徳そのものを奴隷道徳と批判した点に注意。信仰義認をめぐる教会批判はルターの宗教改革の話である。
選択肢の確認
①「神の存在が理性によって証明されていないことを批判した」
❌ 誤り。
神の存在証明の不備を指摘したのではなく、キリスト教的価値そのものの起源を怨恨の心理から暴こうとした。
②「弱者が強者に対して抱くルサンチマンから生まれた奴隷道徳であると批判した」
✅ 正しい。
正解。ニーチェは、キリスト教道徳を、弱者が強者に抱くルサンチマン(怨恨)から生まれ、弱さを善と偽った奴隷道徳だと批判した。
③「隣人愛の実践がまだ不十分であることを批判した」
❌ 誤り。
隣人愛の実践不足を嘆いたのではなく、同情や隣人愛の道徳そのものを生の力を弱める奴隷道徳として批判した。
④「信仰のみによって義とされるという教えを教会が忘れたことを批判した」
❌ 誤り。
信仰義認をめぐる教会批判は宗教改革のルターの主張であり、ニーチェの道徳批判とは別の文脈である。
覚えるポイント
- ルサンチマン=弱者が強者に抱く怨恨
- キリスト教道徳を奴隷道徳と呼んで批判
- 力への意志を肯定する価値の転換を主張
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。