SG8-047|地理総合・地理探究 対策問題
人間の安全保障の考え方の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
国家の防衛だけでなく、貧困や紛争・感染症などの脅威から一人ひとりの生命と尊厳を守ることを重視する考え方である
この問題のポイント
人間の安全保障の理念を問う。守る対象を国家から「一人ひとりの人間」へ広げた発想の転換が判断の軸。
解説
人間の安全保障は、従来の軍事力による国家の安全保障だけでは人々の安全を守れない、という認識から生まれた考え方である。
冷戦後の世界では、国家間の戦争よりも、貧困・飢餓・紛争・難民・感染症・環境破壊・自然災害といった脅威が人々の生存を脅かすようになった。そこで、守るべき対象を国家から一人ひとりの人間の生命・生活・尊厳へと広げ、「恐怖からの自由」と「欠乏からの自由」の実現を目指すのが人間の安全保障である。1994年の国連開発計画の報告書で提唱され、日本はこの理念を外交・ODAの基本方針に位置づけて国際的に推進してきた。緒方貞子(元国連難民高等弁務官)とセンが共同議長を務めた委員会の報告も知られる。
具体策としては、保健・教育・農村開発など人々に直接届く支援や、紛争後の平和構築、防災協力などが挙げられ、SDGsの理念とも深く重なっている。
ひっかけポイント
軍事力で国家を守る従来型の安全保障との対比が核心。「国家か人間か」という守る対象の違いを突く選択肢に注意。
選択肢の確認
①「先進国の経済的利益を最優先で守るという考え方である」
❌ 誤り。
誤答理由: 先進国の経済的利益の優先ではなく、最も脆弱な人々の保護と能力強化を重視する。
②「国際協力をやめて各国が孤立して自国だけを守るという考え方である」
❌ 誤り。
誤答理由: 孤立ではなく、国際協力を通じて地球規模の脅威に対処することを前提とする考え方である。
③「国家の防衛だけでなく、貧困や紛争・感染症などの脅威から一人ひとりの生命と尊厳を守ることを重視する考え方である」
✅ 正しい。
正解。人間の安全保障は貧困・紛争・感染症などの脅威から一人ひとりの生命・生活・尊厳を守る考え方である。
④「軍事力の増強によって国境を守ることのみを目的とする考え方である」
❌ 誤り。
誤答理由: 軍事力による国境防衛のみを重視するのは従来型の国家の安全保障で、人間の安全保障はそれを補完・転換する概念。
覚えるポイント
- 守る対象を国家から一人ひとりの人間へ拡大
- 恐怖からの自由と欠乏からの自由を目指す
- 日本が外交・ODAの基本方針として推進
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。