KO8-019|公共・政治経済 対策問題
新しい人権についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
プライバシーの権利や環境権など、憲法に明文の規定はないが主張されるようになった人権である
この問題のポイント
新しい人権の性格を問う。明文規定がなく13条などを根拠に主張されること、最高裁の認め方には濃淡があることが判断軸。
解説
日本国憲法の制定後、社会の変化とともに、憲法に明文のない権利が主張されるようになった。これらを新しい人権と呼ぶ。
代表例は4つある。私生活をみだりに公開されないプライバシーの権利(情報化の進展で自己情報コントロール権へ発展)、良好な環境を享受する環境権、政府の情報の公開を求める知る権利、マスメディアに意見表明の場を求めるアクセス権である。主な根拠条文は13条の幸福追求権で、環境権は25条の生存権も援用される。
ただし裁判所の対応には濃淡がある。プライバシーの権利は「宴のあと」事件などで下級審が認め、判例上定着してきたが、環境権そのものを最高裁が正面から認めた判例はない。知る権利に対応して情報公開法(1999年制定)が整備されたが、同法に「知る権利」の文言は明記されていない。権利ごとの定着度の違いが出題の急所である。
ひっかけポイント
「すべて最高裁が認めた」は誤り。環境権を正面から認めた最高裁判例はない。根拠条文は13条(+環境権は25条)という対応も頻出。
選択肢の確認
①「憲法に明文で列挙されており、裁判所の解釈の余地はない」
❌ 誤り。
新しい人権は憲法に明文で列挙されておらず、まさに解釈によって導かれる点に特徴がある。
②「法律で定めれば憲法上の根拠がなくても最高裁が必ず認める」
❌ 誤り。
法律の制定は権利実現の手段だが、最高裁が憲法上の権利として認めるかは別問題で、必ず認められるわけではない。
③「新しい人権はすべて最高裁判所によって正面から認められている」
❌ 誤り。
環境権のように最高裁が正面から認めていない権利もあり、「すべて認められている」は誤りである。
④「プライバシーの権利や環境権など、憲法に明文の規定はないが主張されるようになった人権である」
✅ 正しい。
正解。新しい人権は憲法に明文の規定がないまま社会の変化とともに主張されるようになった権利で、13条の幸福追求権などを根拠とする。
覚えるポイント
- 新しい人権=明文規定なし、根拠は13条幸福追求権など
- プライバシー権・環境権・知る権利・アクセス権が代表
- 環境権を正面から認めた最高裁判例はない
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。