PE2-A03公共・政治経済 対策問題

政治・経済A 現代日本の政治(1) 民主政治の基本原理

ロックの政治思想の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

ロックは、人民は生命・自由・財産を守るために政府に権力を信託しており、政府がこれに反すれば抵抗権を行使できるとした。この思想はアメリカ独立宣言に影響を与えた

この問題のポイント

ロックの社会契約説を問う問題。「信託と抵抗権」の論理と、名誉革命の正当化・アメリカ独立宣言への影響という歴史的役割で解ける。

解説

17世紀イギリスのロックは、『統治二論(市民政府二論)』(1690年)で社会契約説を展開した。
ロックの自然状態は、ホッブズと違い、自然法が支配するおおむね自由・平等で平和な状態である。しかし権利の侵害を裁く共通の権力がないため不安定であり、人々は生命・自由・財産(プロパティ)の保障を確実にするために契約を結び、政府に権力を信託する。
重要なのは、権力の譲渡ではなく信託だという点である。政府は人民の権利を守るという目的のために権力を預かっているにすぎない。政府が信託に背いて人民の権利を侵害すれば、人民は政府を取り替える抵抗権(革命権)をもつ。
この理論は1688年の
名誉革命を正当化
し、さらに「生命・自由・幸福の追求」の権利と政府変更の権利をうたうアメリカ独立宣言(1776年)に直接的な影響を与えた。フランス人権宣言も圧制への抵抗を自然権として掲げている。

ひっかけポイント
全面譲渡と絶対服従はホッブズの論理で、ロックの信託・抵抗権と対比される。ロックは名誉革命を擁護した側であり、「否定するための理論」は逆である。

選択肢の確認

①「ロックは、人民は生命・自由・財産を守るために政府に権力を信託しており、政府がこれに反すれば抵抗権を行使できるとした。この思想はアメリカ独立宣言に影響を与えた」
正しい。
正解。ロックは生命・自由・財産の保障のための信託として政府をとらえ、信託違反への抵抗権を認めた。この思想はアメリカ独立宣言に受け継がれた。

②「ロックの思想は、名誉革命を否定するための理論だった」
誤り。
誤答理由: ロックの『統治二論』は名誉革命を正当化する理論となった。否定するための理論という説明は役割が逆である。

③「ロックは、各人が自然権を主権者に全面的に譲渡し、絶対的な服従を誓うべきだと説いた」
誤り。
誤答理由: 自然権の全面譲渡と絶対的服従はホッブズの理論である。ロックは信託という限定的な構成をとった。

④「抵抗権の思想は、アメリカ独立宣言やフランス人権宣言には影響を与えなかった」
誤り。
誤答理由: 抵抗権の思想はアメリカ独立宣言の政府変更の権利や、フランス人権宣言の圧制への抵抗に明確な影響を与えている。

覚えるポイント

  • ロック『統治二論』=生命・自由・財産の保障のための信託
  • 信託違反には抵抗権(革命権)を行使できる
  • 名誉革命を正当化し、アメリカ独立宣言に影響

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

PE2-A02PE2-A04