PE2-A04公共・政治経済 対策問題

政治・経済A 現代日本の政治(1) 民主政治の基本原理

社会契約説を唱えた三人の思想家の比較として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

ホッブズは自然権の譲渡による強力な主権の樹立を、ロックは信託と抵抗権を、ルソーは一般意志に基づく人民主権を説いた

この問題のポイント

社会契約説の三者の学説の対応を問う総まとめ問題。「譲渡のホッブズ・信託と抵抗権のロック・一般意志のルソー」という対応表で解ける。

解説

三人の社会契約説は、共通の枠組み(自然状態→契約→国家)をもちながら、結論が大きく異なる。

  • ホッブズ(『リヴァイアサン』1651年):自然状態は万人の万人に対する闘争。平和のため各人は自然権を主権者に譲渡し、強力な国家に服従する。結果的に絶対王政を擁護
  • ロック(『統治二論』1690年):自然状態はおおむね平和だが不安定。生命・自由・財産を守るため政府に権力を信託し、信託違反には抵抗権を行使できる。名誉革命・アメリカ独立宣言に影響
  • ルソー(『社会契約論』1762年):不平等を克服するため、公共の利益を目指す一般意志に全員が従う契約を結ぶ。主権は人民にあり代表できないとして直接民主制を理想とし、フランス革命に影響
    自然状態の見方(闘争か平和か)、契約の内容(譲渡か信託か)、政治体制の帰結(絶対王政擁護か抵抗権か人民主権か)という3つの軸で整理すると、どの組合せ問題にも対応できる。

ひっかけポイント
三者のキーワードを一つずつずらす組合せ問題が定番。「闘争状態」はホッブズだけの想定であり、「三人とも」と一般化する選択肢も誤りになる。

選択肢の確認

①「ホッブズは抵抗権を、ロックは一般意志を、ルソーは自然権の全面譲渡を説いた」
誤り。
誤答理由: キーワードの対応が入れ替わっている。抵抗権はロック、一般意志はルソー、全面譲渡はホッブズの学説である。

②「三人はいずれも、国王の権力は神から授けられたものであると主張した」
誤り。
誤答理由: 三人はいずれも権力の根拠を神ではなく人々の契約に求めた。神授の権力を説いたのは王権神授説である。

③「三人はいずれも、自然状態を万人の万人に対する闘争としてとらえた」
誤り。
誤答理由: 自然状態を闘争とみたのはホッブズだけである。ロックはおおむね平和な状態、ルソーは自由・平等な状態を想定した。

④「ホッブズは自然権の譲渡による強力な主権の樹立を、ロックは信託と抵抗権を、ルソーは一般意志に基づく人民主権を説いた」
正しい。
正解。ホッブズ=自然権の譲渡による強力な主権、ロック=信託と抵抗権、ルソー=一般意志に基づく人民主権、という対応が正しい。

覚えるポイント

  • ホッブズ=譲渡・絶対的主権(結果的に王政擁護)
  • ロック=信託・抵抗権(名誉革命・独立宣言へ)
  • ルソー=一般意志・人民主権(フランス革命へ)

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

PE2-A03PE2-A05