PE2-A11|公共・政治経済 対策問題
アメリカの大統領の権限についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
大統領は法案提出権をもたないが、議会に教書を送って立法を勧告し、議会が可決した法案に対して拒否権を行使できる
この問題のポイント
アメリカ大統領の対議会権限を問う問題。「法案提出権なし・教書・拒否権」のセットと、解散権・不信任が存在しないことがわかれば解ける。
解説
アメリカは、モンテスキューの三権分立を最も厳格に制度化した国である。大統領と連邦議会は別々の選挙で選ばれ、互いに独立している。
大統領の議会に対する権限は限定的である。
- 法案提出権をもたない。議員でもないため議会に出席して法案を出すことはできない
- その代わり、教書(一般教書・予算教書など)を議会に送り、必要な立法を勧告する
- 議会が可決した法案への署名を拒否する拒否権をもつ。ただし両院がそれぞれ3分の2以上で再可決すれば法律は成立する
一方、大統領は議会の解散権をもたず、議会も不信任決議で大統領を辞めさせることはできない。例外は弾劾であり、下院の訴追と上院の裁判(出席議員の3分の2以上の有罪評決)により、重大な非行を理由として罷免されうる。これは政策上の対立による不信任とは異なる司法的手続である。
ひっかけポイント
解散権・不信任は議院内閣制の道具立てであり、アメリカには存在しない。拒否権は議会の3分の2の再可決で覆される点、弾劾と不信任の違いも頻出である。
選択肢の確認
①「連邦議会は、不信任決議によって大統領を任期途中で辞めさせることができる」
❌ 誤り。
誤答理由: 連邦議会に大統領への不信任決議の制度はない。罷免できるのは重大な非行を理由とする弾劾手続によってのみである。
②「大統領は法案提出権をもたないが、議会に教書を送って立法を勧告し、議会が可決した法案に対して拒否権を行使できる」
✅ 正しい。
正解。大統領は法案提出権をもたない代わりに教書で立法を勧告し、可決された法案には拒否権を行使できる。拒否権は両院3分の2の再可決で覆される。
③「大統領は、連邦議会を解散する権限をもっている」
❌ 誤り。
誤答理由: 厳格な三権分立をとるアメリカでは、大統領に連邦議会の解散権はない。解散権は議院内閣制の仕組みである。
④「大統領は、連邦議会の議員の中から議会の議決によって選ばれる」
❌ 誤り。
誤答理由: 大統領は議会とは別の選挙(大統領選挙人による間接選挙)で選ばれ、議員との兼職も認められない。議会による選出は議院内閣制との混同である。
覚えるポイント
- 法案提出権なし、教書で立法を勧告
- 拒否権は両院3分の2の再可決で覆る
- 解散・不信任なし、罷免は弾劾手続のみ
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。