PE2-A10公共・政治経済 対策問題

政治・経済A 現代日本の政治(1) 民主政治の基本原理

イギリスの議院内閣制についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

下院で多数を占める政党の党首が国王により首相に任命され、内閣は議会の信任に基づいて成立する

この問題のポイント

イギリス議院内閣制の仕組みを問う問題。「下院多数党の党首が首相」「影の内閣の慣行」「不文憲法」という特徴の組合せで解ける。

解説

議院内閣制はイギリスで発達した。18世紀、ジョージ1世の時代に「国王は君臨すれども統治せず」の伝統が生まれ、ウォルポールが初代首相とされる。内閣が国王ではなく議会に対して責任を負う責任内閣制が確立した。
現在のイギリスでは、任期5年の下院(庶民院)が政治の中心である(下院優位の原則、1911年の議会法で確立)。総選挙で下院の多数を占めた政党の党首が国王から首相に任命され、内閣を組織する。首相を国民が直接選ぶ制度ではない。
二大政党制の伝統の下、野党は影の内閣(シャドー・キャビネット)を組織して政権交代に備える。これは禁止どころか、公認された重要な慣行である。
またイギリスには単一の成文憲法典がなく、マグナ・カルタ以来の歴史的文書・法律・慣習が憲法の役割を果たす
不文憲法
の国である。議会主権の伝統から、裁判所による違憲審査制も発達しなかった。

ひっかけポイント
首相の直接選挙制は誤りの定番(下院多数党の党首が任命される)。影の内閣は合法的な慣行であり、不文憲法・違憲審査制なしという特徴もアメリカとの対比で問われる。

選択肢の確認

①「イギリスでは、野党が政権交代に備えて影の内閣を組織することは法律で禁止されている」
誤り。
誤答理由: 影の内閣は野党が政権交代に備えて組織する公認の慣行であり、禁止されているどころか二大政党制を支える制度である。

②「イギリスは単一の成文憲法典をもち、裁判所による違憲審査制が古くから発達してきた」
誤り。
誤答理由: イギリスは単一の成文憲法典をもたない不文憲法の国であり、議会主権の伝統から違憲審査制も発達しなかった。

③「下院で多数を占める政党の党首が国王により首相に任命され、内閣は議会の信任に基づいて成立する」
正しい。
正解。イギリスでは総選挙で下院の多数を占めた政党の党首が国王により首相に任命され、内閣は下院の信任に基づいて存立する。

④「イギリスの首相は、国民による直接選挙で選出される」
誤り。
誤答理由: イギリスの首相は国民の直接選挙では選ばれない。下院議員選挙の結果として多数党の党首が首相となる間接的な仕組みである。

覚えるポイント

  • 下院多数党の党首が首相に(下院優位の原則)
  • 野党は影の内閣を組織して政権交代に備える
  • 不文憲法の国で、伝統的に違憲審査制をもたない

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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