PE4-019公共・政治経済 対策問題

政治・経済A 現代日本の政治(3) 国会・内閣・裁判所

司法権の独立に関する説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

裁判官は良心に従い独立して職権を行い、憲法と法律にのみ拘束される

この問題のポイント

司法権の独立の内容を問う問題。憲法76条3項の条文と、その歴史的先例である大津事件の顛末を押さえる。

解説

公正な裁判を実現するには、裁判が政治権力や世論の圧力から自由でなければならない。これが司法権の独立である。
憲法76条3項は「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」と定める。他の国家機関はもちろん、裁判所内部の上司からの指示にも拘束されない(裁判官の職権の独立)。
歴史的先例が大津事件(1891年)である。来日中のロシア皇太子が巡査に切りつけられた際、政府はロシアとの関係悪化を恐れ、皇室罪を適用した死刑を裁判所に迫った。しかし大審院長児島惟謙はこれを拒み、裁判所は通常の謀殺未遂罪で無期徒刑の判決を下した。政府の干渉から司法の独立を守った事件とされる(ただし児島が担当裁判官に働きかけた行為には、内部干渉との指摘もある)。

ひっかけポイント
大津事件は「政府の圧力に屈しなかった」事件であり、結論は死刑ではなく無期徒刑。76条3項の「憲法及び法律にのみ拘束」という文言も正確に。

選択肢の確認

①「裁判官は良心に従い独立して職権を行い、憲法と法律にのみ拘束される」
正しい。
正解。憲法76条3項は、裁判官が良心に従い独立して職権を行い、憲法及び法律にのみ拘束されると定める。司法権の独立の中核規定である。

②「裁判官は内閣の指揮監督を受けて裁判を行う」
誤り。
誤答理由: 裁判官が内閣の指揮監督を受けるのでは司法権の独立が成り立たない。行政機関による懲戒も禁止されている(78条)。

③「国会は判決の内容が不当と考えるとき、判決を変更する決議ができる」
誤り。
誤答理由: 国会が判決を変更する決議をすることは司法権の独立の侵害であり許されない。国政調査権もこの限界に服する。

④「大津事件では、政府の圧力に従って裁判所がロシア皇太子暗殺未遂犯を死刑にした」
誤り。
誤答理由: 大津事件で裁判所は政府の死刑要求を拒み、通常の謀殺未遂罪で無期徒刑を言い渡した。圧力に従ったという説明は事実と逆である。

覚えるポイント

  • 76条3項が裁判官の職権の独立を保障
  • 大津事件(1891年)で児島惟謙が政府の干渉を拒否
  • 判決は通常の謀殺未遂罪による無期徒刑

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

PE4-018PE4-020