PE9-012|公共・政治経済 対策問題
他の条件が同じとき、預金準備率が引き下げられた場合の効果として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
銀行が貸出しに回せる資金が増え、信用創造の規模が拡大して金融緩和の効果を持つ
この問題のポイント
預金準備率の変更が信用創造とマネーの量に与える影響を問う。準備率引き下げ=緩和、引き上げ=引締め、という対応が軸。
解説
預金準備率は、銀行が受け入れた預金のうち、日本銀行に預けなければならない割合である。
預金総額の最大値は「本源的預金÷準備率」で決まるため、準備率を下げるほど信用創造の規模は大きくなる。例えば準備率が10パーセントから5パーセントに下がれば、同じ100億円の預金から生まれ得る預金総額は1000億円から2000億円へ拡大する。
- 準備率引き下げ:貸出余力が増える → 通貨量増加 → 金融緩和
- 準備率引き上げ:貸出余力が減る → 通貨量減少 → 金融引締め
この操作を預金準備率操作というが、日本では1991年を最後に変更されておらず、現在の金融政策の中心は**公開市場操作(オープン・マーケット・オペレーション)**である。この点も併せて問われやすい。
ひっかけポイント
引き下げと引き締めの対応の逆転が定番。また、現在の日銀の主な政策手段は準備率操作ではなく公開市場操作である点も頻出。
選択肢の確認
①「預金総額の最大値が減少する」
❌ 誤り。
誤答理由: 準備率が分母にあるため、引き下げれば預金総額の最大値はむしろ増加する。減少するのは引き上げの場合である。
②「通貨量には全く影響を与えない」
❌ 誤り。
誤答理由: 準備率の変更は銀行の貸出余力を通じて通貨量に影響を与える。影響がないなら預金準備率操作が政策手段とされた理由がなくなる。
③「銀行が貸出しに回せる資金が増え、信用創造の規模が拡大して金融緩和の効果を持つ」
✅ 正しい。
正解。預金総額の最大値は本源的預金÷準備率で決まるため、準備率の引き下げは貸出余力と信用創造の規模を拡大させ、通貨量を増やす金融緩和として働く。
④「銀行の貸出余力が減り、信用創造の規模が縮小して金融引締めの効果を持つ」
❌ 誤り。
誤答理由: 引き下げと引き上げの効果を取り違えている。信用創造が縮小して引締めになるのは準備率を引き上げた場合である。
覚えるポイント
- 準備率引き下げは信用創造拡大で金融緩和
- 準備率引き上げは信用創造縮小で金融引締め
- 日本では1991年以降変更されず、中心は公開市場操作
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。