RS-A2-04|歴史総合・世界史探究 対策問題
戦時中の新聞や報道写真を資料として使うときの注意点として、最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
報道は検閲や統制を受けていた可能性があるため、何が書かれなかったかにも注意する
この問題のポイント
戦時中の報道を資料とする際の注意を問う問題。検閲・報道統制の存在を踏まえ、何が書かれなかったかにも注意するという視点を選ぶ。
解説
戦時下の日本では、新聞・雑誌・ラジオは検閲と報道統制の下に置かれた。新聞紙法や国家総動員体制のもと、軍や政府に不利な情報は掲載できなかった。
象徴が大本営発表である。ミッドウェー海戦(1942年)の大敗は小さな損害と発表され、以後も戦果の水増しと損害の隠蔽が続いた。国民は正確な戦況を知らされないまま戦争を続けたのである。
したがって戦時報道を資料として使うときは、書かれている内容の真偽だけでなく、何が報じられなかったか(沈黙や空白)にも注意を払う必要がある。
報道写真にも、士気を高めるための構図の選択や演出がある。統制下のメディアは「当時の人々が何を知らされていたか」を示す資料として読むのが正しい使い方である。
ひっかけポイント
「大本営発表だから正確」はまさに逆で、戦況を偽った代表例。「写真は加工できないから信頼できる」も、撮影意図・構図の選択を無視した誤りである。
選択肢の確認
①「写真は文字と違って加工できないので、無条件に信頼できる」
❌ 誤り。
写真も撮影範囲の選択、演出、切り抜き、説明文の付け方によって印象が変わる。文字資料と同様に、撮影者・掲載者・目的を確認しなければならない。
②「大本営発表は軍の公式発表なので、戦況を正確に伝えている」
❌ 誤り。
大本営発表は軍の公式情報だが、敗北や損害を小さく示すなど実際の戦況と異なる場合があった。公式発表であることは、軍の認識や宣伝方針を知る根拠にはなっても、戦況の正確さの保証にはならない。
③「報道は検閲や統制を受けていた可能性があるため、何が書かれなかったかにも注意する」
✅ 正しい。
戦時報道は検閲や用紙統制、軍の発表に制約されたため、掲載内容だけでなく伏せられた情報も検討する必要がある。他国資料や日記などとの照合が史料批判の基本となる。
④「戦時中の報道は政府が保証していたので、すべて事実として扱える」
❌ 誤り。
政府の保証や公式性は内容の正確さを自動的に保証しない。戦況や政策目的に沿って情報が選別された可能性を、他資料との比較で確かめる必要がある。
覚えるポイント
- 戦時報道は検閲・統制下にあった
- 大本営発表は戦果水増し・損害隠蔽の代表例
- 書かれなかったこと(空白)にも史料的意味がある
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。