RS2-004|歴史総合・世界史探究 対策問題
古い写真を歴史資料として使うときの注意点として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正解
撮影者の意図や演出、撮影の目的を考えながら読み取る
この問題のポイント
古い写真を資料として使う際の注意を問う問題。撮影者の意図・演出・目的を考えて読み取るという、写真への史料批判の姿勢を選ぶ。
解説
写真は機械が光を記録するため、一見すると完全に客観的な資料に思える。しかしそこには必ず人間の選択が入り込んでいる。
特に初期の写真は露光時間が長く、被写体は数秒から数十秒静止する必要があった。つまり幕末・明治の人物写真は、ポーズ・服装・小道具・背景を整えた演出付きの記録なのである。
さらに、そもそも誰が・何のために撮ったのかが重要だ。政府の記録か、営業写真館の商品か、外国人向けの土産物(日本趣味を強調した演出写真も多い)かで、写っている内容の意味は変わる。
報道写真でも、何を写し何を写さないかという構図の選択に撮影者の意図が入る。文書と同じように成立事情を吟味する、これが写真への史料批判である。
ひっかけポイント
「機械が写すから演出はありえない」という思い込みを突くのが出題の狙い。白黒か否か、文字か画像かは資料価値の基準にならない点も押さえる。
選択肢の確認
①「撮影者の意図や演出、撮影の目的を考えながら読み取る」
✅ 正しい。
写真には撮影者の構図選択、被写体の配置・ポーズ、依頼者の目的が反映される。成立事情を調べ、他資料と照合する写真史料の批判が必要である。
②「写真は機械が写すので、演出は一切ありえない」
❌ 誤り。
機械で撮影しても、写す範囲や瞬間の選択、初期写真の長い露光に合わせたポーズなどの演出が入る。写真を無条件に客観的な記録とはみなせない。
③「白黒写真は資料価値をもたない」
❌ 誤り。
白黒であることは資料価値を失わせない。服装・建築・人物配置など多くの情報を持つが、色の復元や撮影意図には注意する必要がある。
④「写真は文字資料より必ず正確である」
❌ 誤り。
文字資料と写真は伝える情報や限界が異なり、資料の種類だけで常にどちらが正確かは決まらない。作成主体と目的を検討して相互に照合する。
覚えるポイント
- 写真にも撮影者の意図・演出・目的が反映される
- 初期写真は長時間露光でポーズは演出されたもの
- 構図の選択自体が一つの解釈である
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。