RS2-006歴史総合・世界史探究 対策問題

歴史総合A 歴史の扉(2) 歴史の特質と資料

昔の地図を歴史資料として使うときの説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 3

正解

作成の目的や測量技術の水準を踏まえ、何が強調され何が省かれたかを読む

この問題のポイント

古地図を資料として使う際の注意を問う問題。作成目的や測量技術を踏まえ、何が強調され何が省かれたかを読む、という地図への史料批判を選ぶ。

解説

地図は現実の縮小コピーではない。作り手が目的に応じて情報を選択した表現物である。
軍事目的の地図は地形や要塞を詳しく描き、徴税用の絵図は田畑の等級を、航海図は海岸線と水深を重視する。目的と関係ない情報は簡略化されるか、省かれる。
また測量技術の水準にも左右される。伊能忠敬の『大日本沿海輿地全図』(19世紀初め)は実測に基づく高精度の地図だが、それ以前の国絵図や行基図は、正確さより領域の観念や国のつながりを示すことに主眼があった。
だから古地図は「不正確だから価値がない」のではない。むしろ何を描こうとしたかから、その時代の関心・世界観・技術が読み取れる。強調と省略のパターンを読むことが、地図資料の史料批判である。

ひっかけポイント
「常に正確」も「不正確だから無価値」も両極端で誤り。正確さと資料価値は別の基準であり、作成目的から読むのが正解の型である。

選択肢の確認

①「古い地図は不正確なので資料価値がない」
誤り。
現代的な縮尺精度が低くても、領域認識、土地利用、権力関係などを示す資料価値がある。不正確さだけを理由に捨てるのではなく、その理由を分析する。

②「地図から読み取れるのは地形だけである」
誤り。
地図からは地形だけでなく、道路・集落・寺社・土地境界・地名の選択など社会や政治の情報も読める。作成目的によって描かれる対象が変わる。

③「作成の目的や測量技術の水準を踏まえ、何が強調され何が省かれたかを読む」
正しい。
古地図は軍事・徴税・航海などの目的と当時の測量技術に応じ、道・境界・施設などを選択して描く。強調と省略そのものから作成者の関心を読める。

④「地図は常に正確なので現代の地図と同様に扱える」
誤り。
絵図の方位・縮尺は現代地図と異なる場合があり、実測図でも技術上の誤差がある。常に同程度に正確という前提で重ね合わせることはできない。

覚えるポイント

  • 地図は目的に応じた強調と省略を含む表現物
  • 伊能図は実測図、絵図は観念的な地図
  • 何を描こうとしたかに時代の関心が表れる

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RS2-005RS2-007