RS2-007|歴史総合・世界史探究 対策問題
同じ出来事でも教科書の記述が時代とともに変わることがある。その理由として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
新しい資料の発見や研究の進展により、歴史の解釈が更新されるから
この問題のポイント
教科書の記述が変わる理由を問う問題。新資料の発見や研究の進展で歴史の解釈が更新されるから、という事実と解釈の区別で解ける。
解説
歴史の教科書は、過去の出来事そのものではなく、資料に基づく歴史学の解釈を記述している。だから研究が進めば記述も変わる。
代表例が鎌倉幕府の成立年である。かつては1192年(頼朝の征夷大将軍任官)一択だったが、幕府の実質的な支配体制の成立を重視する研究から、1185年(守護・地頭の設置)など複数の考え方が併記されるようになった。
変化の要因は主に3つある。
- 新資料の発見(発掘、文書の再発見)
- 研究方法の進歩(年代測定技術、他分野との連携)
- 問いの変化(政治史中心から社会史・生活史へ、など)
重要なのは、これが「過去の改変」ではなく、より確かな理解への更新だということである。事実そのものは変わらないが、事実の把握と解釈は深まり続ける。
ひっかけポイント
「過去の事実そのものが変化する」は事実と解釈の混同で誤り。「古い記述はすべて誤りだった」も極端で、当時の研究水準では最善だった場合が多い。
選択肢の確認
①「古い記述はすべて誤りだったから」
❌ 誤り。
古い研究も当時利用できた資料に基づく成果で、全てが誤りとは限らない。新説は旧説の一部を継承・修正することもあり、根拠を比較して評価する。
②「新しい資料の発見や研究の進展により、歴史の解釈が更新されるから」
✅ 正しい。
新史料の発見、年代測定技術の進歩、既存史料の再検討によって、最も妥当な解釈は更新される。鎌倉幕府成立時期の複数説はその例である。
③「過去の事実そのものが変化するから」
❌ 誤り。
過去に起きた出来事そのものが後から変わるのではない。限られた資料から事実関係を説明する研究者の解釈や位置付けが変化する。
④「教科書は毎回抽選で内容を決めるから」
❌ 誤り。
教科書内容は学習指導要領と歴史研究の成果を踏まえて編集・検定され、抽選で決まらない。記述変更には資料と研究上の根拠がある。
覚えるポイント
- 歴史記述は資料に基づく解釈で更新される
- 鎌倉幕府成立年は1192年説から1185年説など併記へ
- 書き換えは過去の改変ではなく理解の更新
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。