KZ-R7T-16|歴史総合・世界史探究 対策問題
グラフの時期(1850〜1890年代)、中央アジア方面でもロシアと清の間に緊張が生じた。その出来事として最も適切なものはどれか。

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正解: 2
正解
新疆の反乱に乗じてロシアがイリ地方を占領し、のちのイリ条約で国境と通商を取り決めた
この問題のポイント
19世紀後半の露清間の内陸での緊張を問う問題。新疆のムスリム反乱に乗じたロシアのイリ占領と、1881年のイリ条約による決着を押さえる。
解説
1860年代、清の支配下にあった新疆でムスリムの大反乱が起こり、コーカンド出身のヤークーブ・ベクが政権を樹立した。この混乱に乗じ、ロシアは1871年、国境地帯の要地イリ地方を占領する。
清では、海防(海軍優先)か塞防(内陸防衛優先)かの論争を経て、左宗棠が遠征軍を率いて反乱を平定し、新疆を回復した。
返還交渉は難航したが、1881年のイリ条約でロシアはイリ地方の大部分を返還し、代わりに国境の画定と通商上の特権を得た。清は1884年、新疆を新疆省として直轄支配に改めた。
グラフが示す露清貿易の拡大の裏で、内陸では領土をめぐるせめぎ合いが続いていたのである。沿海方面(アイグン・北京条約)と内陸方面(イリ)の2方面でロシアの圧力を整理したい。
ひっかけポイント
アイグン条約・北京条約(黒竜江・沿海州方面)とイリ条約(中央アジア方面)は方面が異なる別の取り決め。朝貢や清によるシベリア併合は、当時の力関係からもあり得ない。
選択肢の確認
①「両国が共同でインドを分割した」
❌ 誤り。
インドはイギリスの植民地であり、露清が共同で分割した事実はない。ロシアとイギリスは中央アジアで対峙する関係だった。
②「新疆の反乱に乗じてロシアがイリ地方を占領し、のちのイリ条約で国境と通商を取り決めた」
✅ 正しい。
正解。新疆のムスリム反乱の混乱に乗じてロシアは1871年イリ地方を占領し、左宗棠の新疆平定後、1881年のイリ条約で返還と国境・通商の取り決めが行われた。
③「清がシベリアに遠征してロシア領を併合した」
❌ 誤り。
19世紀後半の清に、シベリアへ遠征してロシア領を併合する力はなく、力関係はむしろロシア優位だった。
④「ロシアが清に朝貢して冊封を受けた」
❌ 誤り。
朝貢と冊封は中国の皇帝を中心とする伝統的秩序であり、ロシアが清に朝貢した事実はない。両国は条約に基づく関係にあった。
覚えるポイント
- ロシアは1871年イリ地方を占領
- 左宗棠の平定後、1881年イリ条約で返還・国境画定
- 1884年清は新疆省を設置し直轄化
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。