RS-A2-05|歴史総合・世界史探究 対策問題
戦争体験者への聞き取り(オーラルヒストリー)を歴史資料として使う場合の説明として、最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
記憶は後の経験や知識で変化しうるため、文書資料などと突き合わせて使う
この問題のポイント
聞き取り(オーラルヒストリー)の資料としての性格を問う問題。記憶は変化しうるので文書資料と突き合わせて使う、という特性理解を選ぶ。
解説
オーラルヒストリーは、体験者への聞き取りで歴史を記録する方法である。文書に残りにくい庶民の生活・感情・現場の実相を伝える貴重な資料であり、戦争体験や災害の記憶の継承に大きな役割を果たしている。
一方で、固有の限界もある。
- 記憶は変容する:後から得た知識や報道の影響で、体験の記憶が書き換わることがある
- 語りは相手に左右される:聞き手の質問の仕方や関係性が内容に影響する
- 時間の経過とともに日付や順序があいまいになる
だからこそ、聞き取りは日記・公文書などの文書資料と突き合わせて使うのが原則である。
体験談を軽んじるのではなく、資料としての特性を踏まえて活用する。これが歴史総合の求める姿勢である。
ひっかけポイント
「本人の体験談だから常に正確」は記憶の変容を無視した誤り。逆に「個人の話は価値がない」も極端で、特性を踏まえて活用するのが正解の型。
選択肢の確認
①「聞き取りの内容は、聞き手の質問の仕方に影響されない」
❌ 誤り。
質問の語句、順序、聞き手との関係は、思い出す内容や語り方に影響する。質問記録や聞き取り状況も保存し、証言が共同で形成された資料であることに注意する。
②「記憶は後の経験や知識で変化しうるため、文書資料などと突き合わせて使う」
✅ 正しい。
聞き取りは生活感覚や感情を伝える一方、記憶の再構成や後世の知識の影響を受けうる。文書・写真・他の証言と照合し、語られた時点や聞き手との関係も考慮する。
③「本人の体験談なので、文書資料よりも常に正確である」
❌ 誤り。
当事者性は資料価値を高めるが、日時の取り違えや後の解釈の混入を防ぐものではない。「本人だから常に文書より正確」と資料の種類だけで優劣を決めるのは誤りである。
④「個人の話は歴史資料としての価値をもたない」
❌ 誤り。
個人の証言は、公文書に残りにくい日常生活、被害、感情、少数者の経験を知る重要な資料となる。個人的であることを理由に資料価値を否定せず、その特性と限界を踏まえて用いる。
覚えるポイント
- オーラルヒストリーは文書に残らない経験を伝える
- 記憶は後の知識や聞き手との関係で変容しうる
- 文書資料との照合が活用の原則
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。