RS-B1-01|歴史総合・世界史探究 対策問題
19世紀のイギリスで、工場主が労働者に始業時間の厳守を求めるようになった背景として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
機械制工場での分業が広がり、時計で計られる均質な労働時間が必要になったから
この問題のポイント
産業革命期の工場で時間厳守が求められた理由を問う問題。機械制工場の分業には時計で計る均質な労働時間が必要だった、という労働と時間の関係で解ける。
解説
産業革命以前の職人や農民は、日の出や仕事の区切りに合わせて、自分のペースで働いていた。月曜日に仕事を休む「聖月曜日」のような慣行もあった。
ところが機械制工場では事情が一変する。蒸気機関で動く機械は止まらないし、分業では一人の遅刻が全体の作業を止めてしまう。そこで、全員が時計の示す同じ時間に合わせて働くことが必要になった。
工場主は始業時間の厳守を求め、遅刻に罰金を科し、工場の鐘やサイレンが一日を区切った。人間が機械のリズムに合わせる働き方の始まりである。
この「時計の時間」の規律は、学校の時間割や鉄道の時刻表を通じて社会全体に広がった。近代化とは時間意識の変化でもあった、という歴史総合の重要テーマである。
ひっかけポイント
農村の時間感覚が尊重されたのではなく、むしろ克服の対象とされた点が核心。労働者が自ら望んだのでもなく、規律は工場主の側の必要から課された。
選択肢の確認
①「宗教改革によって日曜日の労働が義務づけられたから」
❌ 誤り。
宗教改革は主に16世紀の出来事で、19世紀の工場の時間規律を直接生んだ制度ではない。日曜日の労働義務化が始業時間厳守の原因でもない。
②「農村の共同体的な時間感覚が工場でも尊重されたから」
❌ 誤り。
機械制工場では農村の仕事本位の時間感覚より、全工程を同期させる時計時間が優先された。共同体的な時間感覚が尊重されたことが始業厳守の理由ではない。
③「機械制工場での分業が広がり、時計で計られる均質な労働時間が必要になったから」
✅ 正しい。
機械制工場の分業では、一部の遅れが生産工程全体に影響する。そのため工場主は時計で区切った均質な労働時間と始業時刻の厳守を求めた。
④「労働者側が自ら労働時間の延長を要求したから」
❌ 誤り。
労働時間の延長や厳しい時間規律を主に求めたのは工場経営者側であり、労働者は短縮運動などを展開した。労働者の自発的要求が背景ではない。
覚えるポイント
- 機械制工場と分業が均質な労働時間を要求
- 聖月曜日など旧来の慣行は克服の対象に
- 時間規律は学校・鉄道を通じて社会に浸透
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。