KZ-R7HB-01|歴史総合・世界史探究 対策問題
グラフはイギリスの貿易収支と貿易外収支(1816〜1900年)を示す。「世界の工場」と呼ばれた19世紀のイギリスで、グラフから読み取れる意外な事実はどれか。

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正解: 2
正解
貿易収支(モノの輸出入)は慢性的な赤字だった
この問題のポイント
「世界の工場」イギリスの貿易収支が実は赤字だったという意外な事実をグラフから読み取る問題。貿易外収支の黒字が赤字を補った構造の理解が核心。
解説
19世紀のイギリスは「世界の工場」と呼ばれ、工業製品を世界中に輸出した。それなら貿易収支は大黒字のはず、と思いがちだが、実際にはモノの輸出入だけを見ると慢性的な赤字だった。
人口が増え工業が発達するほど、食料と原料(穀物・綿花など)の輸入が巨額になったからである。
この赤字を埋めて余りあったのが貿易外収支の黒字だ。世界最大の商船隊による海運の運賃、ロイズに代表される保険、シティの金融、そして海外投資からの利子・配当が流れ込んだ。
つまりイギリスは「世界の工場」であると同時に「世界の銀行・世界の運送屋」であり、この見えない収入こそが覇権の土台だった。
ひっかけポイント
「工場だから輸出黒字のはず」という思い込みを突く出題。グラフでは貿易収支と貿易外収支の2本の線を凡例で確認し、合計では黒字である点まで読む。
選択肢の確認
①「国際収支の記録は残っていない」
❌ 誤り。
グラフそのものが19世紀の国際収支の統計に基づいており、記録が残っていないという説明は成り立たない。
②「貿易収支(モノの輸出入)は慢性的な赤字だった」
✅ 正しい。
世界の工場と呼ばれたイギリスも食料・原料の輸入が巨額で貿易収支は赤字基調であり、海運・保険・金融・海外投資による貿易外収支の黒字がそれを補った。
③「貿易収支は常に大幅な黒字だった」
❌ 誤り。
グラフの貿易収支は赤字側で推移しており、常に大幅な黒字だったという読み取りは資料と反対である。
④「貿易外収支は常に赤字だった」
❌ 誤り。
貿易外収支は海運・金融・海外投資の収益によって黒字であり、19世紀末に向けてその黒字は拡大した。
覚えるポイント
- 19世紀イギリスの貿易収支は赤字基調
- 海運・保険・金融・海外投資収益の貿易外収支が黒字
- ポンドが基軸通貨、シティが世界金融の中心
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。