WT-B2-03|歴史総合・世界史探究 対策問題
アテネの民主政について述べた文として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正解
成年男性市民の全体集会である民会が最高機関だったが、女性や奴隷に参政権はなかった
この問題のポイント
アテネ民主政の特質を問う問題。直接民主政の完成と、女性・奴隷らを排除した制限的な市民権の両面をつかむことが鍵。
解説
古代ギリシアのポリス(都市国家)アテネでは、貴族と平民の対立を経て、段階的に民主政が発展した。ソロンの改革、ペイシストラトスの僭主政治、クレイステネスの改革(陶片追放の制度化)を経て、前5世紀のペリクレスの指導期に民主政は完成期を迎えた。
その中心は、成年男性市民の全員が直接参加する民会である。民会が国家の最高決定機関であり、多くの公職は抽選で選ばれ、公職者には手当が支給されて貧しい市民も政治に参加できた。代表を選んで任せる現代の間接(代議制)民主政と異なり、市民自身が決定する直接民主政だった点が最大の特徴である。
ただし、この民主政には明確な限界があった。参政権を持つのは両親ともアテネ人の成年男性市民に限られ、人口の多数を占める女性・奴隷・在留外人(メトイコイ)には参政権がなかった。市民が政治に参加できた背景には、生産労働を支える奴隷制があった。
「民主政の完成」と「排除の構造」を両面から問うのが共通テストの定番である。
ひっかけポイント
「すべての住民に参政権」とする選択肢は、女性・奴隷・在留外人の排除を見落とさせる引っかけ。直接民主政と現代の間接民主政の混同にも注意。
選択肢の確認
①「成年男性市民の全体集会である民会が最高機関だったが、女性や奴隷に参政権はなかった」
✅ 正しい。
前5世紀のアテネではペリクレスの指導のもと、成年男性市民の民会を最高機関とする直接民主政が完成したが、女性・奴隷・在留外人に参政権はなかった。
②「すべての住民に平等な参政権が与えられていた」
❌ 誤り。
参政権を持つのは成年男性市民に限られ、人口の多数を占める女性・奴隷・在留外人は排除されていた。
③「国王が絶対的な権力を握っていた」
❌ 誤り。
国王が絶対的権力を握る体制は王政期やペルシアなどの説明に当たり、アテネの民主政の特徴ではない。
④「選挙で選ばれた終身の皇帝が統治した」
❌ 誤り。
終身の皇帝が統治したのは帝政期のローマなどであり、都市国家アテネの民主政の説明ではない。
覚えるポイント
- アテネ民主政の完成は前5世紀ペリクレス時代
- 成年男性市民全員の民会が最高機関(直接民主政・抽選制)
- 女性・奴隷・在留外人に参政権なし、奴隷制が基盤
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。