WT8-A11|歴史総合・世界史探究 対策問題
7世紀のイスラーム世界で起こったスンナ派とシーア派の分裂の原因として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
ムハンマドの後継者(指導者)の正統性をめぐる対立
この問題のポイント
スンナ派とシーア派の分裂の原因を問う。教義ではなく、ムハンマドの後継者をめぐる政治対立が起源という点が核心。
解説
前提として、632年にムハンマドが死去すると、イスラーム共同体(ウンマ)は後継者(カリフ)を選んで指導を委ねた。
第4代カリフのアリー(ムハンマドの従弟で娘婿)が暗殺され、ウマイヤ朝が成立すると、アリーとその子孫だけを正統な指導者(イマーム)と認める人々が分離した。これがシーア派である。
一方、歴代カリフの権威を認め、ムハンマドの言行(スンナ)に従う多数派はスンナ派と呼ばれる。
つまり分裂の出発点は、クルアーンの言語や偶像崇拝といった教義論争ではなく、指導者の正統性をめぐる政治的対立だった。
現在もスンナ派が約9割を占め、シーア派はイランを中心にイラク南部などに分布する。現代中東の対立構図の歴史的背景として頻出する。
ひっかけポイント
分裂の原因を教義の違いと考えがちだが、起源は後継者問題という政治対立。シーア派=アリーの支持者という対応を確実に。
選択肢の確認
①「偶像崇拝の是非をめぐる対立」
❌ 誤り。
偶像崇拝の禁止はイスラーム全体に共通する原則であり、両派を分ける争点ではない。
②「ムハンマドの後継者(指導者)の正統性をめぐる対立」
✅ 正しい。
第4代カリフのアリーとその子孫だけを正統な指導者と認める人々がシーア派となり、歴代カリフの慣行に従う多数派のスンナ派と分かれた。
③「聖典クルアーンの言語をめぐる対立」
❌ 誤り。
クルアーンはアラビア語で伝えられており、その言語をめぐる対立が分裂の原因ではない。
④「メッカとメディナの経済対立」
❌ 誤り。
メッカとメディナはいずれもイスラームの聖地であり、両都市の経済対立が分裂の原因ではない。
覚えるポイント
- シーア派=アリーとその子孫のみを正統とする
- スンナ派=多数派、慣行(スンナ)に従う
- シーア派は現在のイランに多い
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。