WT8-A12歴史総合・世界史探究 対策問題

世界史探究B 諸地域の歴史的特質の形成(3) 諸地域の歴史的特質

イスラーム文明の学問について述べた文として正しいものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

ギリシア語文献の翻訳の上に、代数学や医学など独自の学問が発展した

この問題のポイント

イスラーム文明の学問の性格を問う。ギリシア語文献の翻訳を土台に独自の学問を発展させ、後にヨーロッパへ伝えた流れが核心。

解説

前提として、アッバース朝の都バグダードには9世紀、「知恵の館」(バイト・アルヒクマ)と呼ばれる研究機関が置かれた。
ここでギリシア語の哲学・科学文献がアラビア語へ組織的に翻訳され、それを土台に独自の学問が花開いた。

  • フワーリズミーの代数学(アルジェブラの語源)
  • イブン・シーナーの『医学典範』
  • インド起源の数字を洗練させたアラビア数字とゼロの概念
    これらの成果は12世紀、イベリア半島のトレドやシチリアでラテン語に翻訳され、ヨーロッパの学問復興(12世紀ルネサンス)を引き起こした。
    ギリシアの知がアラビアを経由してヨーロッパに戻ったという知の中継こそ、ヨーロッパ中心の歴史観を相対化する世界史探究の看板論点である。

ひっかけポイント
イスラーム文明を外来の学問の拒否と描く選択肢は逆。アルコール・アルジェブラなどアラビア語起源の言葉が資料ネタとして出る。

選択肢の確認

①「ギリシア語文献の翻訳の上に、代数学や医学など独自の学問が発展した」
正しい。
知恵の館でのギリシア語文献の組織的な翻訳を土台に、フワーリズミーの代数学やイブン・シーナーの医学など独自の学問が発展した。

②「外来の学問を一切拒否した」
誤り。
ギリシアやインドの学問を積極的に取り入れており、外来の学問を拒否したのではない。

③「学問はモスクで禁止されていた」
誤り。
モスクに付属する学院であるマドラサは学問と教育の中心であり、学問は禁止されていない。

④「数学は発展しなかった」
誤り。
代数学の発展やアラビア数字の洗練など、数学はとくに高い水準に達した。

覚えるポイント

  • 知恵の館(バグダード)でギリシア語文献を翻訳
  • フワーリズミー=代数学、イブン・シーナー=医学典範
  • ギリシア→アラビア→ラテンの知の中継が12世紀ルネサンスへ

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

WT8-A11WT8-A13