RN2-A15|公共・倫理 対策問題
ギリシア思想における知のあり方についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
ギリシアでは、実生活の利害を離れて存在の真理を純粋に知ろうとする観想(テオリア)が重んじられ、アリストテレスは観想的生活に最高の幸福を見いだした
この問題のポイント
ギリシア思想を貫く知の態度を問う問題。「フィロソフィア=知を愛すること」「テオリア=利害を離れた純粋な観想」という言葉の意味がわかれば解ける。
解説
ギリシア思想に共通する態度は、知ること自体への愛である。フィロソフィア(哲学)とは「知を愛すること(愛知)」を意味し、富や実用のためではなく、驚き(タウマゼイン)から発して真理そのものを求める営みを指す。ピタゴラスやソクラテスがこの語と結びつけて語られる。
この態度の極致が観想(テオリア)である。テオリアとは、実生活の利害や有用性を離れて、存在の真理を純粋に眺め、知ろうとする理性の働きをいう。
アリストテレスは『ニコマコス倫理学』で、幸福(エウダイモニア)とは快楽の寄せ集めではなく、魂が徳に基づいて活動することだとした。そして人間の最も神的な能力である理性を発揮する**観想的生活(テオリアの生活)**にこそ、最高の幸福があると論じた。
神話や神託への信仰が残る社会にあって、理性による探究を人間の最高のあり方とみなしたこの伝統は、西洋の学問と科学の精神の源流となった。
ひっかけポイント
フィロソフィアは「知を愛する」ことであり、富への愛とする語義のすり替えに注意。アリストテレスの幸福は徳に基づく魂の活動であり、快楽の総和とする説明は功利主義的な誤り。
選択肢の確認
①「アリストテレスは、幸福とは瞬間的な快楽の総和にほかならないと定義した」
❌ 誤り。
誤答理由: アリストテレスの幸福(エウダイモニア)は徳に基づく魂の活動であり、快楽の総和とする定義は功利主義的な誤りである。
②「ギリシアの思想家たちは、理性による探究よりも神託や占いへの服従を重んじた」
❌ 誤り。
誤答理由: ギリシアの思想家は神話や神託に代えて理性(ロゴス)による探究を重んじた。神託や占いへの服従の重視は正反対である。
③「ギリシアでは、実生活の利害を離れて存在の真理を純粋に知ろうとする観想(テオリア)が重んじられ、アリストテレスは観想的生活に最高の幸福を見いだした」
✅ 正しい。
正解。ギリシアでは利害を離れて真理を純粋に知ろうとする観想(テオリア)が重んじられ、アリストテレスは観想的生活に最高の幸福を見いだした。
④「フィロソフィアとは、もともと『富を愛し求めること』を意味する言葉である」
❌ 誤り。
誤答理由: フィロソフィアは「知を愛すること(愛知)」を意味する。富への愛とする説明は語義のすり替えである。
覚えるポイント
- フィロソフィア=知を愛すること(愛知)
- テオリア=利害を離れた純粋な観想
- アリストテレス=観想的生活が最高の幸福
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。