RN6-004公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(1) ルネサンスと宗教改革

エラスムスとルターの間で行われた自由意志をめぐる論争についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

エラスムスは救いにおける人間の自由意志の働きを認めたのに対し、ルターは救いは神の恵みのみによるとして自由意志を否定した

この問題のポイント

人文主義と宗教改革の違いが最も鮮明に表れた自由意志論争を問う問題。エラスムス=自由意志の擁護、ルター=神の恵みのみ、という対立軸で判断する。

解説

当初ルターに好意的だったエラスムスは、やがて『自由意志論』を著し、人間には救いに向かって神に協力する自由意志の働きが認められると主張した。人間の理性と可能性を信頼する人文主義の立場である。
これに対しルターは『奴隷意志論』で反論し、罪深い人間の意志は救いに関して無力であり、救いはただ神の恵み信仰のみによると説いた。人間の側の力を認めることは、信仰義認の原理を揺るがすと考えたのである。
この論争は、人間の尊厳を重んじるルネサンスの人間中心的な立場と、神の絶対性を強調する宗教改革の立場との違いを示すものとして重要である。
近代思想は、エラスムスの人間信頼の系譜と、ルターの信仰の内面性の系譜の双方を受け継いで展開していくことになる。

ひっかけポイント
両者の立場の入れ替えが定番。人文主義者エラスムスが自由意志を「擁護」した側だと押さえれば混同しない。エラスムスは生涯カトリックにとどまった。

選択肢の確認

①「この論争に敗れたエラスムスは、カトリック教会を離れてプロテスタントに改宗した」
誤り。
誤答理由: エラスムスはプロテスタントに改宗しておらず、生涯カトリックにとどまり、教会の分裂そのものに批判的であった。

②「エラスムスは救いにおける人間の自由意志の働きを認めたのに対し、ルターは救いは神の恵みのみによるとして自由意志を否定した」
正しい。
正解。エラスムスは『自由意志論』で救いへの人間の意志の協力を認め、ルターは『奴隷意志論』で救いは神の恵みのみによるとして反論した。

③「エラスムスは自由意志を否定したのに対し、ルターは人間の自由意志こそが救いを決めると主張した」
誤り。
誤答理由: 両者の立場が逆である。自由意志を擁護したのが人文主義者エラスムス、否定したのが宗教改革者ルターである。

④「両者はともに自由意志を全面的に否定し、論争の末に完全に一致した」
誤り。
誤答理由: 両者は自由意志をめぐって鋭く対立したのであり、ともに否定して一致したという事実はない。

覚えるポイント

  • エラスムス『自由意志論』=救いへの自由意志を擁護
  • ルター『奴隷意志論』=救いは神の恵みのみ
  • 人文主義と宗教改革の人間観の違いを示す論争

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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