RN6-012公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(1) ルネサンスと宗教改革

『エセー(随想録)』を著したモンテーニュの思想の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

「私は何を知るか」と自らに問いかけ、独断を避けて謙虚に自己を吟味する懐疑の姿勢を説いた

この問題のポイント

モンテーニュの標語「ク・セ・ジュ」の意味を問う問題。断定を避ける謙虚な懐疑と寛容の精神が核心である。

解説

16世紀フランスのモラリストモンテーニュは、主著『エセー(随想録)』で、自分自身を素材としながら人間のあり方を自由に考察した。
その根本にあるのが「私は何を知るか(ク・セ・ジュ)」という問いである。人間の判断は習慣や立場に左右される不確かなものであるから、自分の考えを絶対視せず、常に懐疑をもって自己を吟味し続けるべきだとした。
モンテーニュが生きたのは、カトリックとプロテスタントが殺し合う宗教戦争(ユグノー戦争)の時代であった。彼の懐疑は、独断と狂信こそが残虐を生むという反省に基づくものであり、異なる考えを認め合う寛容の精神を説くものであった。この態度は後のモラリストや啓蒙思想に受け継がれた。
『エセー』は随筆という形式の祖ともなり、自己を見つめて人間を探究する文学と思想の伝統を開いた。

ひっかけポイント
同じ「疑い」でも、確実な原理に到達するためのデカルトの方法的懐疑とは異なり、モンテーニュの懐疑は断定を避け謙虚さと寛容に向かう。

選択肢の確認

①「「知は力なり」と唱え、実験と観察によって自然を支配することを目指した」
誤り。
誤答理由: 「知は力なり」は経験論の祖ベーコンの言葉であり、自然支配を目指す学問観はモンテーニュの自己吟味の姿勢とは異なる。

②「人間を「考える葦」と呼び、思考にこそ人間の偉大さがあるとした」
誤り。
誤答理由: 人間を考える葦と呼んだのは同じモラリストでも後のパスカルであり、モンテーニュの言葉ではない。

③「「私は何を知るか」と自らに問いかけ、独断を避けて謙虚に自己を吟味する懐疑の姿勢を説いた」
正しい。
正解。モンテーニュは『エセー』で「私は何を知るか(ク・セ・ジュ)」と自問し、独断を避けて謙虚に自己を吟味する懐疑と寛容の精神を説いた。

④「「われ思う、ゆえにわれあり」を疑い得ない哲学の第一原理として確立した」
誤り。
誤答理由: 「われ思う、ゆえにわれあり」を第一原理としたのはデカルトである。デカルトの懐疑は確実な真理に到達するための方法であった。

覚えるポイント

  • モンテーニュ=『エセー』・「私は何を知るか(ク・セ・ジュ)」
  • 独断を避ける謙虚な自己吟味としての懐疑
  • 宗教戦争の狂信への反省から寛容を説いた

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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