RN6-011公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(1) ルネサンスと宗教改革

モラリストと呼ばれる思想家たちの説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

ありのままの人間の姿をよく観察し、随想などの形式で人間の生き方を探究したフランスの思想家たちを指す

この問題のポイント

モラリストという呼び名の意味を問う問題。体系的な理論ではなく、観察と随想による人間探究という方法上の特徴がポイントである。

解説

モラリストとは、16〜18世紀のフランスで、ありのままの人間の姿を鋭く観察し、人間の生き方(モラル)を探究した思想家たちの呼び名である。モンテーニュパスカルが代表とされる。
彼らの特徴は、抽象的な理論体系を打ち立てるのではなく、エセー(随想)や断章、箴言といった自由な形式で、自己と人間について具体的に考察した点にある。人間の偉大さだけでなく、弱さ・虚栄・自己欺瞞といった側面も率直に見つめた。
宗教戦争の時代を生きた彼らの思索は、独断と狂信を避ける
寛容
の精神や謙虚な自己吟味の態度を育み、フランスの思想的伝統として後世に受け継がれた。
体系よりも具体的な観察を重んじるこの態度は、抽象的な理論が見落としがちな人間の現実の姿を照らし出すものであった。

ひっかけポイント
モラリストは「道徳家」という直訳のイメージや、道徳を体系化した哲学者と混同しやすい。方法は観察と随想、対象はありのままの人間である。

選択肢の確認

①「道徳法則を理性によって厳密に体系化しようとしたドイツ観念論の哲学者たちを指す」
誤り。
誤答理由: 道徳法則を理性によって体系化したのはカントらであり、体系を避けて観察と随想により人間を探究したモラリストとは方法が異なる。

②「教会の定めた道徳を民衆に説教して回った中世の聖職者たちを指す」
誤り。
誤答理由: モラリストは聖職者による教会道徳の説教者ではなく、宗教的権威から距離を置いて人間そのものを見つめた世俗の思想家である。

③「快楽と苦痛の計算によって道徳を数量化しようとしたイギリスの思想家たちを指す」
誤り。
誤答理由: 快楽計算による道徳の数量化は近代イギリスの功利主義(ベンサム)の発想であり、フランスのモラリストとは別の系譜である。

④「ありのままの人間の姿をよく観察し、随想などの形式で人間の生き方を探究したフランスの思想家たちを指す」
正しい。
正解。モラリストとは、モンテーニュやパスカルのように、ありのままの人間を観察し随想などの形式で生き方を探究したフランスの思想家を指す。

覚えるポイント

  • モラリスト=人間をありのままに観察したフランスの思想家
  • 代表はモンテーニュとパスカル
  • 随想・断章の形式で生き方を探究し寛容の精神を育てた

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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