RN6-013公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(1) ルネサンスと宗教改革

パスカルが『パンセ』で人間を「考える葦」と呼んだことの説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

人間は自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎないが、考えることによって宇宙をも包み込む偉大さをもつとした

この問題のポイント

パスカルの「考える葦」の意味を問う問題。弱さ(悲惨)と思考による偉大さの両面を一語で言い表している点がポイントである。

解説

17世紀フランスの科学者・思想家パスカルは、遺稿集『パンセ』の中で、「人間は自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」(要旨)と述べた。
人間は、宇宙の広大さの前では一滴の蒸気でも押しつぶされるほどの弱くはかない存在である。しかし人間は、自分が死ぬことも、宇宙が自分より大きいことも知っている。宇宙は何も知らない。ゆえに人間の尊厳は、空間の大きさではなく思考のうちにある。
このようにパスカルは、人間の悲惨偉大という二面性を直視し、そのうえで「よく考えること」に道徳の原理を求めた。彼のいう思考は、単なる計算ではなく、自己の存在の意味を見つめる営みである。
パスカルは数学や物理学に業績を残した科学者でもあり、その彼が理性の限界と人間の弱さを直視した点に思想史的な意義がある。

ひっかけポイント
「考える葦」は弱さの自覚と偉大さが一体になった言葉である。弱さだけ、偉大さだけを述べた選択肢は一面的で誤りとなる。

選択肢の確認

①「人間は理性の推論だけで宇宙の真理に完全に到達できる存在だとした」
誤り。
誤答理由: 理性だけで真理に到達できるとする合理論的な立場はパスカルのものではない。彼は理性の限界を見つめ、最終的に信仰に救いを求めた。

②「人間は自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎないが、考えることによって宇宙をも包み込む偉大さをもつとした」
正しい。
正解。パスカルは『パンセ』で、人間は自然の中で最も弱い葦のような存在だが、考えることによって宇宙を包む偉大さと尊厳を持つとした。

③「人間の偉大さは、肉体の強さによって自然を征服することにあるとした」
誤り。
誤答理由: パスカルは人間の偉大さを肉体の力や自然の征服にではなく、思考のうちに求めた。宇宙は力では人間を押しつぶすが、人間は考えることで宇宙を包む。

④「思考は人間を不幸にするだけなので、考えることをやめて生きるべきだとした」
誤り。
誤答理由: パスカルは思考こそ人間の尊厳の根拠としたのであり、考えることをやめよと説いたわけではない。むしろよく考えることが道徳の原理だとした。

覚えるポイント

  • パスカル=『パンセ』・「人間は考える葦である」
  • 人間は弱い存在だが思考のうちに尊厳をもつ
  • 悲惨と偉大の二面性を直視するのがパスカルの人間観

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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