RN6-067公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(5) 社会主義と実証主義・進化論

マルクスのいう労働の疎外についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

資本主義のもとでは、労働者の生み出した生産物や労働そのものが労働者から切り離され、よそよそしい力として労働者を支配することをいう

この問題のポイント

初期マルクスの中心概念である労働の疎外を問う問題。「自分の生み出したものが自分に敵対する」という構造をとらえる。

解説

マルクスによれば、労働は本来、人間が自然に働きかけて自己の本質を実現する、人間の類的本質というべき喜びの活動である。
ところが資本主義社会では、生産手段を持たない労働者は、自らの労働力を商品として資本家に売るほかない。その結果、労働者がつくった生産物は資本家のものとなって労働者に対立し(生産物からの疎外)、労働は自発的な喜びではなく生きるための苦役となる(労働そのものからの疎外)。さらに人間の本質である労働が歪められることで類的本質から疎外され、人間どうしの関係もまた対立的なものとなる(人間からの疎外)。
このように、人間の活動の産物が人間から独立し、逆に人間を支配する力となることを疎外という。マルクスは疎外を克服し、人間性を回復するために、生産手段の私有に基づく資本主義体制そのものの変革が必要だと考えた。

ひっかけポイント
疎外は賃金問題や都市化一般のことではなく、労働の産物と労働そのものが労働者に敵対する構造を指す哲学的概念である。

選択肢の確認

①「資本主義のもとでは、労働者の生み出した生産物や労働そのものが労働者から切り離され、よそよそしい力として労働者を支配することをいう」
正しい。
正解。労働の疎外とは、労働者の生産物や労働そのものが労働者から切り離され、よそよそしい力として労働者を支配するようになることをいう。

②「労働者の賃金が上昇しすぎて、企業の経営が圧迫されることをいう」
誤り。
誤答理由: 疎外は賃金の高騰による経営圧迫という経済問題ではなく、労働の産物と活動が人間に敵対する構造を指す哲学的概念である。

③「分業の廃止によって、労働の苦痛がすでに完全に解消されたことをいう」
誤り。
誤答理由: マルクスは資本主義のもとで疎外が現に進行していると分析したのであり、すでに解消されたという記述は誤りである。

④「人間が自然から切り離されて、都市で生活するようになったことだけを指す」
誤り。
誤答理由: 疎外は人間が自然から自立することではなく、人間の本質である労働が資本主義のもとで歪められることを指す。

覚えるポイント

  • 労働は本来、人間の本質を実現する活動
  • 資本主義では生産物・労働・類的本質・他者から疎外される
  • 疎外の克服が体制変革の思想へつながった

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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