RN9-077公共・倫理 対策問題

倫理D 現代の諸課題と倫理(3) 情報社会の倫理

採用選考にAIを利用したところ、過去の採用実績のデータを学習したAIが特定の性別の応募者を低く評価していたことが判明した。この事例が示すAI倫理上の問題の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

学習データに含まれる過去の偏見をAIが引き継ぎ、差別を再生産するアルゴリズムのバイアスの問題であり、判断の公平性や透明性の確保が課題となる

この問題のポイント

AIのバイアス問題の事例判定。機械だから中立という思い込みを排し、学習データ経由で偏見が再生産される仕組みを問う。

解説

事例は、実際に海外企業で起きた出来事をもとにしたアルゴリズムのバイアスの典型例である。AI(機械学習)は、与えられた学習データからパターンを見つけて判断する。過去の採用実績に性別の偏りがあれば、AIはそれを「成功のパターン」として学習し、過去の差別を客観的な判断のように装って再生産してしまう。
機械だから中立・公平だという思い込みは危険であり、AIの判断がなぜそうなったのか根拠が見えにくいブラックボックス性も問題を深刻にする。そこで、判断の公平性、根拠を説明できる透明性・説明責任、そして最終的な判断と責任を人間が担う人間中心の原則が、AI倫理の柱として国内外の指針で掲げられている。日本でも人間中心のAI社会原則が定められた。
AIの活用が採用・融資・司法などの重要な決定に広がるほど、こうした原則の意味は増していく。

ひっかけポイント
AI=機械=中立という先入観を突く問題が定番。データの偏りがそのまま判断の偏りになるという仕組みで考える。

選択肢の確認

①「学習データに含まれる過去の偏見をAIが引き継ぎ、差別を再生産するアルゴリズムのバイアスの問題であり、判断の公平性や透明性の確保が課題となる」
正しい。
正解。過去の採用実績の偏りを学習したAIが差別を再生産するのはアルゴリズムのバイアスの典型例であり、公平性・透明性・説明責任の確保がAI倫理の課題となる。

②「AIは機械であるため人間と違って偏見を持つことはあり得ず、この判明した結果はむしろ公平さの証拠である」
誤り。
誤答理由: AIは学習データに含まれる人間社会の偏見をそのまま引き継ぐため、機械だから偏見と無縁という理解は誤りである。

③「AIの判断は人間には一切理解も検証もできないため、結果をそのまま受け入れるしかない」
誤り。
誤答理由: 判断根拠の説明が難しいブラックボックス性は課題とされるが、だからこそ検証と説明可能性の確保が求められており、無批判な受け入れは正反対の対応である。

④「AIが誤った場合の責任はすべてAI自身が負うので、開発者や利用者が責任を考える必要はない」
誤り。
誤答理由: AIは責任を負う主体ではなく、開発者・提供者・利用者といった人間の側が責任を負うべきだとされている。

覚えるポイント

  • AIは学習データの偏見を引き継ぎ差別を再生産しうる
  • ブラックボックス性に対し透明性・説明責任が課題
  • 人間中心・公平性がAI倫理の基本原則

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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