TK-B1-02|地理総合・地理探究 対策問題
工業の国際的な移り変わりについての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
労働集約的な工業は賃金の安い国へ移転しやすく、工業化の中心はアジアNIESから中国、さらに東南アジアや南アジアへと広がってきた
この問題のポイント
工業立地の国際的な移動を賃金水準から説明できるかを問う。「安い労働力を求める移転」と「NIES→中国→東南アジア」という流れがわかれば解ける。
解説
繊維や電気機械の組立てのような労働集約的な工業は、生産費に占める人件費の割合が高いため、賃金の安い国・地域へ移転しやすい。
第二次世界大戦後、工業の中心は次のように移り変わってきた。まず1970年代以降、韓国・台湾・香港・シンガポールなどのアジアNIES(新興工業経済地域)が、安価な労働力を生かした輸出指向型工業化で急成長した。次いで1980年代末からは、改革開放政策をとる中国が外国企業を誘致して「世界の工場」と呼ばれる工業国となった。中国の賃金が上昇すると、工場はさらに賃金の安いベトナムなどの東南アジアや南アジアへと広がった。
一方、生産拠点を海外に移した先進国や日本では、国内の工場が閉鎖されて雇用が失われる産業の空洞化が問題となった。工業立地が賃金格差を追って国境を越えて動くこと、それが送り出す側・受け入れる側双方の地域を変えることが、この分野の中心的な見方である。
ひっかけポイント
産業の空洞化は「国内工業の海外移転による衰退」であり、工場の過度な集中とする定義のすり替えに注意。中国が世界有数の工業製品輸出国である事実も判断材料になる。
選択肢の確認
①「中国は工業化に失敗したため、工業製品の輸出額は世界的にみて小さいままである」
❌ 誤り。
誤答理由: 中国は改革開放以降「世界の工場」と呼ばれる工業国となり、工業製品の輸出額は世界最大級である。
②「産業の空洞化とは、国内に工場が過度に集中して都市問題が発生することをいう」
❌ 誤り。
誤答理由: 産業の空洞化とは生産拠点の海外移転により国内の工業・雇用が衰退する現象であり、国内への過度な集中のことではない。
③「労働集約的な工業は賃金の安い国へ移転しやすく、工業化の中心はアジアNIESから中国、さらに東南アジアや南アジアへと広がってきた」
✅ 正しい。
正解。人件費の比重が大きい労働集約的工業は低賃金国へ移転しやすく、アジアNIESから中国、さらに東南アジア・南アジアへと工業化が広がった。
④「先進国の工業が人件費の安い国へ移転することは、これまで一度も起こっていない」
❌ 誤り。
誤答理由: 繊維や組立工業を中心に、先進国から低賃金国への生産移転は繰り返し起こってきた。一度もないという説明は事実に反する。
覚えるポイント
- 労働集約的工業は低賃金国へ移転しやすい
- アジアNIES→中国(世界の工場)→東南アジア・南アジアの流れ
- 移転元の国では産業の空洞化が問題化
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。