TK4-046|地理総合・地理探究 対策問題
鉄鋼業の立地の変化についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
かつては炭田や鉄山の近くに立地したが、輸入原料への依存が進むと日本などでは臨海部に立地するようになった
この問題のポイント
鉄鋼業の立地が「原料産地→臨海」へ移った歴史的変化と、その理由(原料事情の変化)を問う。
解説
鉄鋼業は大量の**鉄鉱石と石炭(コークス)**を使う典型的な原料指向型工業で、立地は原料事情とともに移り変わってきた。
- 炭田立地: 産業革命期は石炭を大量に消費したため、ドイツのルール地方、イギリスのバーミンガム周辺など炭田地帯に立地した
- 鉄山立地: 技術進歩で石炭の消費が減ると、フランスのロレーヌ地方など鉄山への立地もみられた
- 臨海立地: 国内の原料が枯渇し、安価な輸入原料に依存するようになると、大型船で原料を受け入れやすい臨海部へ移った。日本の製鉄所はすべて臨海立地で、フランスのダンケルク・フォス、ドイツの臨海部への移動も同じ流れである
現在、粗鋼生産は中国が世界の約半分を占めて第1位で、インドが第2位に成長した。ルール地方など旧来の重工業地域は、鉄鋼業の衰退後、先端産業や文化産業への転換を進めている。
ひっかけポイント
炭田→臨海という立地移動の向きと理由(輸入原料への転換)がセットで問われる。日本の製鉄所=臨海の徹底も、内陸と偽る選択肢で試される。
選択肢の確認
①「現在の日本の製鉄所は、原料の輸入に不便な内陸の山間部に集中している」
❌ 誤り。
誤答理由: 日本の製鉄所は原料輸入に便利な臨海部に立地しており、内陸山間部への集中という記述は正反対である。
②「ヨーロッパでは炭田立地の製鉄所が現在も一貫して拡大を続けている」
❌ 誤り。
誤答理由: ルール地方など欧州の炭田立地の鉄鋼業は衰退・縮小し、臨海部への移転や産業転換が進んだ。拡大継続は事実に反する。
③「かつては炭田や鉄山の近くに立地したが、輸入原料への依存が進むと日本などでは臨海部に立地するようになった」
✅ 正しい。
正解。鉄鋼業は炭田・鉄山立地から出発したが、輸入原料への依存が進むと大型船で原料を受け入れられる臨海部へ移り、日本の製鉄所はすべて臨海立地である。
④「鉄鋼業は原料をほとんど使わないため、立地場所は昔から自由であった」
❌ 誤り。
誤答理由: 鉄鋼業は鉄鉱石と石炭を大量に使う典型的な原料多消費型工業であり、原料をほとんど使わないという前提が誤りである。
覚えるポイント
- 炭田・鉄山立地から輸入原料時代の臨海立地へ
- 日本の製鉄所はすべて臨海部にある
- 粗鋼生産は中国が約半分で世界一、インドが2位
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。