TK4-055地理総合・地理探究 対策問題

地理探究A 現代世界の系統地理的考察(2) 資源、産業

産業の空洞化が起こる仕組みについての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

円高や賃金上昇で国内生産の採算が悪化した企業が工場を海外へ移し、国内の生産と雇用が縮小する

この問題のポイント

産業の空洞化の因果関係(コスト上昇→海外移転→国内縮小)を筋道立てて理解しているかを問う。

解説

産業の空洞化とは、企業が生産拠点を海外へ移転した結果、国内の生産・雇用・技術の蓄積が縮小していく現象である。
日本では次の流れで進んだ。

  • 1985年のプラザ合意以降の急激な円高で、輸出品の価格競争力が低下した
  • 国内の賃金や土地の価格が上昇し、生産コストの内外差が開いた
  • 米欧との貿易摩擦を避けるため現地生産の必要が高まった
    こうして電機・自動車などの工場が東アジア・東南アジアや欧米へ移転し、国内では、
  • 工場閉鎖による地域経済の衰退と雇用の喪失
  • 部品を納めてきた下請け中小企業の経営悪化
  • 技能・技術の継承の断絶
    が課題となった。企業城下町や地場産業の町ほど打撃が大きい。
    近年は、サプライチェーン寸断のリスクや経済安全保障の観点から、半導体工場の誘致など国内回帰の動きもみられ、立地の流れは一方向ではないことも押さえたい。

ひっかけポイント
空洞化の起点は「コスト・為替の変化」であり、円高がきっかけという因果を「円安」などとすり替える出題に注意。海外移転で国内雇用が増えるという逆の記述も定番の誤り。

選択肢の確認

①「農村の人口が都市へ流出して農地が荒れることだけを指す言葉である」
誤り。
誤答理由: 農村の人口流出は過疎の問題であり、製造業の海外移転を指す産業の空洞化とは別の概念である。

②「海外に工場を移した企業の国内雇用は、必ず移転前より増加する」
誤り。
誤答理由: 工場の海外移転は国内の雇用喪失を招くのが問題の核心で、必ず増加するという記述は因果が逆である。

③「円高や賃金上昇で国内生産の採算が悪化した企業が工場を海外へ移し、国内の生産と雇用が縮小する」
正しい。
正解。プラザ合意後の円高や賃金上昇、貿易摩擦で国内生産の採算が悪化した企業が工場を海外へ移し、国内の生産・雇用・技術蓄積が縮小するのが産業の空洞化である。

④「輸入品への高率の関税によって国内の工場が増えすぎる現象である」
誤り。
誤答理由: 空洞化は工場の海外流出による国内の縮小であり、関税で国内工場が増えすぎる現象という説明は内容が全く異なる。

覚えるポイント

  • 円高・賃金上昇・貿易摩擦が海外移転の要因
  • 国内の生産・雇用・技術蓄積が縮小するのが空洞化
  • 近年は経済安全保障を背景に国内回帰の動きもある

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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