TK8-008|地理総合・地理探究 対策問題
EUの共通農業政策についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正解
域内農家の所得を支える仕組みで、かつての価格支持中心から農家への直接支払いや環境重視へと改革されてきた
この問題のポイント
共通農業政策の性格と改革の方向を問う。手厚い保護→過剰生産→直接支払い・環境重視への転換という流れが判断軸。
解説
共通農業政策は、EU(発足時はEEC)が1960年代から実施してきた、域内共通の農業保護政策である。
当初は、農産物の価格を高く支持して買い支え、域外からの輸入品には課徴金を課す手厚い保護を行った。食料自給の達成には成功したが、バターの山・ワインの湖と呼ばれる過剰生産を招き、財政負担の増大と、補助金付き輸出をめぐる貿易摩擦が問題化した。
このため段階的に改革が行われ、価格支持を縮小して、生産量と切り離した農家への直接支払いへ転換した。近年は、環境保全・動物福祉・農村の景観維持などの条件を満たすことを支払いの要件とする環境重視型の政策へ移行している。
共通農業政策はEU予算の大きな部分を占め続けており、フランスなど農業国と工業国の利害調整、東欧拡大後の新旧加盟国間の配分も論点である。ヨーロッパの農業・統合の両分野にまたがる頻出テーマである。
ひっかけポイント
「自由競争に委ねる」「保護しない」は正反対。改革の方向は保護の廃止ではなく、価格支持から直接支払い・環境重視への転換である。
選択肢の確認
①「域内農家の所得を支える仕組みで、かつての価格支持中心から農家への直接支払いや環境重視へと改革されてきた」
✅ 正しい。
正解。共通農業政策は価格支持による手厚い保護から、過剰生産の反省を経て直接支払いと環境重視へ改革されてきた。
②「農業をすべて自由競争に委ね、農家への支援を一切行わない政策である」
❌ 誤り。
誤答理由: 支援を行わない自由放任ではなく、EU予算の大きな部分を占める手厚い農業支援制度である。
③「域外からの農産物輸入を全面的に自由化し、域内農業を縮小させる政策である」
❌ 誤り。
誤答理由: 輸入の全面自由化と域内農業の縮小ではなく、域内農家の保護・支援が制度の目的である。
④「各国がばらばらに農業政策を行うことを定めた政策である」
❌ 誤り。
誤答理由: 各国ばらばらではなく、EU共通の政策として一体的に運営される点が名称の由来である。
覚えるポイント
- 共通農業政策=EUの共通の農業保護制度
- 価格支持→過剰生産(バターの山)→直接支払いへ改革
- 近年は環境保全を条件とする支払いに重点
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。