TK8-010|地理総合・地理探究 対策問題
ドイツのルール工業地域の変化についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
石炭と鉄鋼で栄えたが、エネルギー革命などで衰退し、先端技術産業や環境産業への転換が図られてきた
この問題のポイント
伝統的工業地域の構造転換を問う。ルール=石炭・鉄鋼の盛衰と再生という産業史の流れが判断の軸になる。
解説
ルール工業地域は、ドイツ西部のルール川流域に広がるヨーロッパ最大の伝統的工業地域である。ルール炭田の豊富な石炭と、ライン川の水運で運ばれる鉄鉱石を結び付けて鉄鋼業が発達し、エッセンやドルトムントなどの工業都市が成長した。
しかし1960年代以降、エネルギー源が石炭から石油へ移るエネルギー革命、安価な輸入石炭・輸入鉄鋼との競争により、炭鉱の閉山と鉄鋼業の衰退が進んだ。
その後は構造転換が図られ、大学・研究機関の誘致による先端技術産業や、環境技術・文化産業の育成が進められた。産業遺産を活用した観光(ツォルフェライン炭鉱は世界遺産)も知られる。なお製鉄所は、輸入鉱石を使いやすい臨海部(ロッテルダムやダンケルクなど)へ立地が移る傾向がみられ、これは日本の太平洋ベルトと同様、原料立地から臨海立地への転換の典型として出題される。
ひっかけポイント
ルールは内陸の炭田立地で、地中海沿岸ではない。「今も石炭中心」は誤りで、閉山と先端産業への転換が進んだ点が核心。
選択肢の確認
①「現在も石炭の採掘がドイツ経済の中心であり、炭鉱は拡大を続けている」
❌ 誤り。
誤答理由: エネルギー革命以降、炭鉱は閉山が進んだ。石炭がドイツ経済の中心で拡大中という記述は誤り。
②「ルール地方はブドウ栽培だけが行われる農業地域である」
❌ 誤り。
誤答理由: ルールはヨーロッパ最大の工業地域として発展した地域で、ブドウ栽培だけの農業地域ではない。
③「ルール工業地域は地中海沿岸の臨海部に位置している」
❌ 誤り。
誤答理由: ルールは内陸の炭田立地の工業地域で、地中海沿岸ではなくドイツ西部に位置する。
④「石炭と鉄鋼で栄えたが、エネルギー革命などで衰退し、先端技術産業や環境産業への転換が図られてきた」
✅ 正しい。
正解。ルールは石炭と鉄鋼で栄えたが、エネルギー革命と国際競争で衰退し、先端技術・環境産業への転換が図られた。
覚えるポイント
- ルール=石炭+鉄鋼で発展した伝統的工業地域
- エネルギー革命と競争激化で衰退、先端・環境産業へ転換
- 製鉄は原料立地から臨海立地へ移る傾向
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。