TK8-011|地理総合・地理探究 対策問題
EUの東方拡大にともなう変化の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
賃金の安い東欧諸国へ西欧企業の工場が進出し、東欧から西欧への労働者の移動も活発になった
この問題のポイント
東方拡大の経済効果を問う。資本は西から東へ(工場進出)、労働力は東から西へ(出稼ぎ)という双方向の流れが判断軸。
解説
2004年以降、ポーランド・チェコ・ハンガリーなど旧社会主義国が次々とEUに加盟した(東方拡大)。これにより、域内の経済格差を背景とした大きな人と資本の流れが生まれた。
第一に、西欧企業の東欧への工場進出である。東欧は西欧に比べて賃金が大幅に安く、EU加盟で関税や制度の障壁が消えたため、ドイツなどの自動車・機械企業が生産拠点を移した。チェコやスロバキア、ポーランド、ハンガリーは自動車産業の集積地となり、スロバキアは人口当たりの自動車生産が世界有数である。
第二に、東欧から西欧への労働者の移動である。より高い賃金を求めてポーランドなどからイギリス・ドイツへ多くの労働者が移り、送金が母国の経済を支える一方、東欧側では若年層の流出、西欧側では雇用や社会サービスをめぐる摩擦が生じ、イギリスのEU離脱の一因にもなった。
域内格差の是正はEUの地域政策の課題であり続けている。
ひっかけポイント
移動の向きが核心。工場(資本)は西→東、労働者は東→西で、これを逆にした選択肢が定番。東欧の多くはユーロ未導入の国も残る。
選択肢の確認
①「東方拡大によってEUの人口は大幅に減少した」
❌ 誤り。
誤答理由: 東方拡大は加盟国と人口を増やした。EUの人口が大幅に減少したという記述は誤り。
②「東欧諸国はEU加盟と同時にすべてユーロを導入した」
❌ 誤り。
誤答理由: 東欧の多くの国は加盟後もしばらく(または現在も)ユーロを導入しておらず、同時導入は誤り。
③「賃金の安い東欧諸国へ西欧企業の工場が進出し、東欧から西欧への労働者の移動も活発になった」
✅ 正しい。
正解。賃金の安い東欧へ西欧企業の工場が進出し、逆に東欧から西欧へは高賃金を求めて労働者が移動した。
④「東欧諸国の賃金は西欧より高いため、西欧から東欧へ労働者が大量に移動した」
❌ 誤り。
誤答理由: 東欧の賃金は西欧より大幅に低く、労働者の移動は東から西へ向かった。方向が逆である。
覚えるポイント
- 東方拡大で旧社会主義国が加盟、域内格差が拡大
- 賃金差で工場は西→東(チェコなどが自動車集積地)
- 労働者は東→西へ移動、摩擦がイギリス離脱の一因
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。