JH-B2-02|歴史総合・日本史探究 対策問題
『春日権現験記』に描かれた人物(図3)が身に着けている装束についての説明として、最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る
正解: 4
正解
公家の正装の流れをくむ衣服で、武家政権の成立以前から用いられていた
背景・因果
図の人物が着ているのは束帯・衣冠の系譜を引く公家装束で、武家政権成立以前から用いられていた。絵巻は当時の衣服・住居・生業を知る一次資料であり、「武士独自」「〜以後に成立」といった断定は絵画資料から直ちには言えない。
覚えるポイント
人物の装束の形(束帯・衣冠の系統)に注目。「武士独自の正装」「武家政権成立後に発達」と断定する選択肢が典型的なワナ。
選択肢別の検討
① ❌ 誤答「庶民の労働着がそのまま正装になったものである」
これは朝廷の官人や公家が儀礼で着用した装束の系統である。庶民の労働着をそのまま正装にしたものではない。
② ❌ 誤答「中国から輸入された官服がそのまま用いられたものである」
大陸の官服の影響は受けたが、日本の宮廷制度や儀礼に合わせて独自に整えられた。中国から輸入した官服をそのまま着用したものではない。
③ ❌ 誤答「武士が独自に創始した正装で、武家政権の成立後に発達した衣服である」
描かれた装束は公家の束帯・衣冠の系譜に属し、武士が鎌倉幕府成立後に独自に創始したものではない。成立時期と担い手の両方が誤っている。
④ ✅ 正解「公家の正装の流れをくむ衣服で、武家政権の成立以前から用いられていた」
束帯や衣冠などの公家装束は律令国家の宮廷儀礼のなかで整えられ、武家政権成立以前から用いられていた。装束の系統と年代が一致する。
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。