JT2-B32歴史総合・日本史探究 対策問題

日本史探究B 中世の日本と世界(2) 歴史資料と中世の展望

紀伊国阿氐河荘の百姓らが1275年に提出した訴状の史料的価値として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

地頭の非法を百姓自身が片仮名で訴えた、民衆の肉声を伝える文書

背景・因果

阿氐河荘百姓等言上状は、地頭湯浅氏の労役強制などの非法13か条を、百姓らが片仮名まじりの文章で荘園領主に訴えたもの。文字を持ち始めた民衆の声を直接伝える希少な史料である。

覚えるポイント

「誰が誰に出した文書か」(百姓→荘園領主、地頭を訴える)という三者関係の把握が読解の鍵。地頭の非法=武士の荘園侵略の実態を示す。

選択肢別の検討

① ✅ 正解「地頭の非法を百姓自身が片仮名で訴えた、民衆の肉声を伝える文書」
1275年の阿氐河荘百姓等言上状は、百姓らが地頭湯浅氏による労役強制など13か条の非法を片仮名交じりで荘園領主側へ訴えた文書である。支配を受ける民衆自身の訴えを同時代の言葉で伝える点に大きな史料価値がある。

② ❌ 誤答「幕府が作成した公式の裁判記録」
幕府が編纂した公式裁判記録ではなく、阿氐河荘の百姓が地頭の非法を荘園領主側へ訴えるために作成した言上状である。作成主体を幕府ではなく百姓と捉える必要がある。

③ ❌ 誤答「貴族の日記の一部」
貴族が日々の出来事を書き残した日記ではなく、百姓らが具体的な被害を列挙した訴訟文書である。片仮名交じりの表現から、13世紀の民衆の訴えを直接読み取れる。

④ ❌ 誤答「後世に作られた軍記物語」
後世の作者が合戦を物語化した軍記物語ではなく、1275年の紛争当事者が作成した同時代史料である。地頭による荘園侵略や百姓の抵抗を具体的に示す一次史料として扱われる。

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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