KZ-R7H-10|公共・政治経済 対策問題
図が扱う「アラブの春」に関する知識として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る
正解: 4
正解
アラブの春は2010年末のチュニジアでの政変を発端に中東・北アフリカへ広がった民主化運動であり、長期政権が倒れた国がある一方、シリアなどでは内戦が長期化した
この問題のポイント
アラブの春の発端・広がり・その後の帰結を問う。民主化運動が必ずしも民主主義の定着に結び付かなかった点が核心。
解説
アラブの春は、2010年末にチュニジアで始まった反政府運動を発端として、2011年にエジプト・リビア・シリアなど中東・北アフリカの広い範囲に波及した民主化運動である。インターネット上の交流サービスが抗議の呼びかけに使われたことも特徴とされる。
チュニジアやエジプトでは長期にわたる強権的な政権が倒れた。しかしその後の歩みは国によって大きく分かれ、シリアでは政権側と反政府勢力の対立が内戦へ発展して長期化し、大量の難民が生じた。リビアやイエメンでも混乱が続いた。
図の世論調査で肯定的な評価が低下したのは、こうした混乱の経験を反映していると考えられる。民主化運動が起きても、それが民主主義の定着に直結するとは限らないことを示す事例である。
なお、東ヨーロッパの社会主義体制が崩壊した1989年の変革は東欧革命であり、アラブの春とは別の出来事である。
ひっかけポイント
アラブの春(2010年末〜)と東欧革命(1989年)の混同が定番。「すべての国で民主化に成功」という全称の記述も誤り。
選択肢の確認
①「アラブの春とは、東ヨーロッパ諸国で社会主義体制が崩壊した1989年の一連の変革を指す」
❌ 誤り。
東ヨーロッパの社会主義体制の崩壊は1989年の東欧革命であり、アラブの春とは別の出来事である。
②「アラブの春により、関係するすべての国で安定した民主的政権が定着した」
❌ 誤り。
民主化が定着した国は限られ、内戦や混乱に陥った国も多い。すべての国で定着したという記述は誤り。
③「アラブの春は、国連安全保障理事会の決議に基づいて各国政府が主導した改革である」
❌ 誤り。
アラブの春は市民の抗議運動から始まったものであり、安保理決議に基づいて各国政府が主導した改革ではない。
④「アラブの春は2010年末のチュニジアでの政変を発端に中東・北アフリカへ広がった民主化運動であり、長期政権が倒れた国がある一方、シリアなどでは内戦が長期化した」
✅ 正しい。
正解。アラブの春は2010年末のチュニジアの政変を発端に中東・北アフリカへ波及した民主化運動で、シリアなどでは内戦が長期化した。
覚えるポイント
- 発端は2010年末のチュニジア
- 中東・北アフリカに波及し長期政権が倒れた国もある
- シリアなどでは内戦が長期化し難民が発生
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。