KZ-R7T-03|公共・政治経済 対策問題
図は日本の当初所得のジニ係数と、再分配後のジニ係数の推移(2002〜2021年)を示す。図の読み取りとして最も適切なものはどれか。

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正解: 2
正解
当初所得のジニ係数は上昇傾向にあるが、社会保障と税による再分配所得のジニ係数はおおむね0.4を下回る水準で安定している
この問題のポイント
当初所得と再分配所得の2本の線の位置関係と傾きを読む問題。再分配の効果=2本の線の差、と捉えられるかがカギ。
解説
ジニ係数は所得分布の不平等度を0から1で表し、0に近いほど平等、1に近いほど不平等を意味する。
図では、税や社会保障で調整する前の当初所得のジニ係数が2002年の0.5前後から2021年にかけて上昇傾向を示す。高齢化の進行により、年金を受け取る前の当初所得が少ない高齢世帯が増えたことが大きな要因である。
一方、社会保障と税による再分配後のジニ係数は0.4を下回る水準でほぼ横ばいであり、2本の線の差=再分配効果はむしろ拡大している。つまり、当初所得の格差が広がるなかで、社会保障(年金など)を中心とする再分配が格差の拡大を抑えているのである。
再分配後の線が当初所得の線より必ず下にあること(再分配は格差を縮める方向に働くこと)も、図の基本的な読みとして確認したい。
ひっかけポイント
「改善幅が昔の方が大きい」は2本の線の差を年ごとに比べれば否定できる。上下の位置関係(再分配後が下)を逆にした選択肢にも注意。
選択肢の確認
①「再分配によるジニ係数の改善幅は、2021年よりも2002年の方が大きい」
❌ 誤り。
2本の線の差(再分配効果)は2002年より2021年の方が大きい。改善幅の大小を逆にしている。
②「当初所得のジニ係数は上昇傾向にあるが、社会保障と税による再分配所得のジニ係数はおおむね0.4を下回る水準で安定している」
✅ 正しい。
正解。当初所得のジニ係数は0.5前後から上昇傾向を示す一方、再分配後の係数は0.4を下回る水準でほぼ横ばいであり、図と一致する。
③「再分配所得のジニ係数は、当初所得のジニ係数を一貫して上回っている」
❌ 誤り。
再分配後の線は当初所得の線より常に下にある。再分配は格差を縮める方向に働くため、上回ることはない。
④「当初所得のジニ係数は、2002年から2021年にかけて低下し続けている」
❌ 誤り。
当初所得のジニ係数は低下ではなく上昇傾向である。高齢化で当初所得の少ない世帯が増えたことが背景にある。
覚えるポイント
- ジニ係数は0に近いほど平等、1に近いほど不平等
- 当初所得の格差拡大の主因は高齢化
- 再分配効果は当初所得と再分配所得の係数の差でみる
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。