KZ-R7T-08|公共・政治経済 対策問題
図が示す日本の経常収支の構造変化に関する知識として最も適切なものはどれか。

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正解: 1
正解
近年の日本の経常収支は、貿易黒字よりも、海外投資から得られる利子・配当を計上する第一次所得収支の黒字が中心となっている
この問題のポイント
「貿易立国から投資立国へ」という日本の経常収支の構造変化を、国際収支の項目の定義とともに問う。
解説
かつての日本は、自動車や電機製品の輸出による貿易黒字が経常収支黒字の中心だった。
しかし2000年代以降、企業の海外生産の拡大により、輸出に代わって海外子会社からの配当や海外債券の利子が増加した。これらを計上する第一次所得収支は毎年20兆円規模の黒字となり、貿易収支が赤字の年でも経常収支の黒字を支えている。この変化は「貿易立国から投資立国へ」と表現される。
各項目の定義も確認しよう。第二次所得収支は無償資金援助や送金など対価を伴わない移転、サービス収支は旅行・輸送・特許使用料などサービス取引を計上する。財の輸出入は貿易収支である。
また東日本大震災後は化石燃料の輸入が増加して貿易収支が赤字化したのであり、輸入減少・黒字拡大という記述は事実と逆である。
ひっかけポイント
第一次所得収支(投資収益)と第二次所得収支(無償援助)の中身の入れ替え、震災後の貿易収支の変化の向きの逆転が典型的な引っかけ。
選択肢の確認
①「近年の日本の経常収支は、貿易黒字よりも、海外投資から得られる利子・配当を計上する第一次所得収支の黒字が中心となっている」
✅ 正しい。
正解。海外生産の拡大に伴い、配当・利子を計上する第一次所得収支の黒字が経常黒字の中心となった。貿易立国から投資立国への転換である。
②「第一次所得収支には、発展途上国への無償資金援助や国際機関への拠出金が計上される」
❌ 誤り。
無償資金援助や国際機関への拠出を計上するのは第二次所得収支である。第一次所得収支は投資収益を計上する。
③「東日本大震災後は原子力発電所の停止で化石燃料の輸入が減少し、貿易黒字が拡大した」
❌ 誤り。
震災後は原発停止を火力発電で補うため化石燃料の輸入が増加し、貿易収支は赤字化した。減少・黒字拡大は事実と逆である。
④「サービス収支には、財(モノ)の輸出入が計上される」
❌ 誤り。
財(モノ)の輸出入は貿易収支に計上される。サービス収支は旅行・輸送・特許使用料などのサービス取引である。
覚えるポイント
- 現在の経常黒字の柱は第一次所得収支
- 海外生産の拡大で貿易黒字は縮小傾向に
- 無償援助は第二次所得収支、サービス取引はサービス収支
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。