KZ-R8H-04公共・政治経済 対策問題

共通テスト図版チャレンジ令和8年度 本試験

図が示す株式保有構造の変化の背景に関する知識として最も適切なものはどれか。

KZ-R8H-04の問題図版
解答・解説を見る

正解: 4

正解

1990年代以降の金融の自由化などを背景に企業集団内の株式持合いは解消に向かい、外国人株主の増加は株主の意向を経営に反映させる圧力を強めた

この問題のポイント

株式持合いの解消と外国人株主の増加という株式保有構造の変化が、企業統治にどんな影響を与えたかを問う。

解説

戦後の日本では、企業集団の内部で銀行と企業、企業どうしが互いの株式を持ち合う株式持合いが広くみられた。持合いは安定株主を作り、経営者は株主の圧力をあまり受けずにすんだ。
しかしバブル崩壊後、不良債権処理を迫られた銀行は保有株を売却し、1996年に始まる日本版金融ビッグバンなどの金融の自由化(フリー・フェア・グローバルが標語)も進んで、持合いは解消へ向かった。
代わって比率を高めたのが外国法人・外国人である。海外の機関投資家は配当や株価などの成果を重視するため、株主の意向が経営方針に強く反映されるようになり、**コーポレート・ガバナンス(企業統治)**の強化や、短期的な収益を重視する経営への変化につながった。

ひっかけポイント
金融ビッグバンは規制の「強化」ではなく「自由化」。持合いは強化ではなく解消、外国人株主は影響力を弱めるのではなく強める、と逆向きの記述が引っかけになる。

選択肢の確認

①「株式の持合いは戦後から現在まで一貫して強化され続けている」
誤り。
持合いは戦後に広がったが、1990年代以降は解消へ向かった。「一貫して強化」は歴史的経過と逆である。

②「外国人株主の増加は、株主が企業経営に対して持つ影響力を弱める方向に働いた」
誤り。
海外機関投資家の増加は株主の発言力をむしろ強め、コーポレート・ガバナンス強化につながった。弱めるという記述は因果が逆。

③「日本版金融ビッグバンは、証券業への参入規制を強化して市場を閉鎖的にする改革だった」
誤り。
日本版金融ビッグバンはフリー・フェア・グローバルを掲げた自由化改革であり、参入規制の強化・市場の閉鎖化とは正反対である。

④「1990年代以降の金融の自由化などを背景に企業集団内の株式持合いは解消に向かい、外国人株主の増加は株主の意向を経営に反映させる圧力を強めた」
正しい。
正解。バブル崩壊後の不良債権処理や金融の自由化で株式持合いは解消に向かい、増加した外国人株主は配当や株価を重視して経営への圧力を強めた。

覚えるポイント

  • 株式持合いは安定株主を生み経営への株主圧力を弱めていた
  • バブル崩壊後の自由化・不良債権処理で持合いは解消へ
  • 外国人株主の増加が企業統治の強化と株主重視経営を促進

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

KZ-R8H-03KZ-R8H-05