KZ-R7T-14|公共・政治経済 対策問題
資料1のようなM字カーブの変化の背景に関する知識として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る
正解: 4
正解
育児休業制度の整備や保育サービスの拡充などにより出産・育児期の就業継続が広がったことが、M字カーブの谷を浅くした要因と考えられる
この問題のポイント
M字カーブの意味と、谷が浅くなった制度的背景を問う。仕事と育児の両立支援策の内容が判断の軸になる。
解説
M字カーブとは、日本の女性の年齢階級別労働力率が、出産・育児期の30歳前後で落ち込んでアルファベットのMのような形を描く現象をいう。男性の定年退職期の話ではない。
谷が浅くなった背景には、両立支援の制度整備がある。育児・介護休業法により育児休業の取得が権利として保障され、給付金による所得保障や、近年は男性の取得を促す改正も行われた。保育所の整備など保育サービスの拡充、男女雇用機会均等法による雇用差別の禁止も、出産後の就業継続を支えてきた。
谷が浅くなったのは「離職する女性が増えた」からではなく、離職せずに働き続ける女性が増えたからであり、因果を逆にした記述は誤りである。
なお、かつて労働基準法にあった女性の時間外労働・深夜業の制限(女子保護規定)は1997年の改正で撤廃されており、現在は一律の禁止はない。
ひっかけポイント
「谷が浅くなった=離職が増えた」という因果の逆転が引っかけ。女子保護規定が撤廃済みであることも問われやすい。
選択肢の確認
①「M字カーブとは、定年退職期の男性の労働力率の落ち込みを指す言葉である」
❌ 誤り。
M字カーブは女性の年齢階級別労働力率(就業率)の形を指す言葉であり、男性の定年退職期の話ではない。
②「M字カーブの谷が浅くなったのは、出産・育児期に離職する女性が増えたためである」
❌ 誤り。
谷が浅くなったのは離職せず働き続ける女性が増えたためであり、離職が増えたという因果は逆である。
③「労働基準法は、現在も女性の時間外労働や深夜業を一律に禁止している」
❌ 誤り。
労働基準法の女子保護規定(時間外労働・深夜業の制限)は1997年の改正で撤廃されており、一律の禁止は現存しない。
④「育児休業制度の整備や保育サービスの拡充などにより出産・育児期の就業継続が広がったことが、M字カーブの谷を浅くした要因と考えられる」
✅ 正しい。
正解。育児・介護休業法の整備や保育サービスの拡充が出産・育児期の就業継続を支え、M字の谷を浅くした主要因とされる。
覚えるポイント
- M字カーブは女性の年齢階級別労働力率の形
- 谷が浅くなったのは就業継続の広がりが要因
- 女子保護規定は1997年改正で撤廃
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。