PE6-053|公共・政治経済 対策問題
1946年に採用された傾斜生産方式についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正解
石炭・鉄鋼などの基幹産業に資金と資材を重点的に配分して、生産の回復をめざした政策である
この問題のポイント
傾斜生産方式の内容を問う問題。「石炭・鉄鋼への重点配分」と「復金インフレ」という副作用までがセットで問われる。
解説
敗戦直後の日本は、生産設備の破壊と資源不足で経済が麻痺していた。そこで政府は1946年末、傾斜生産方式を採用した。
これは、あらゆる産業の土台となる石炭と鉄鋼という基幹産業に、資金・資材・労働力を傾斜的(重点的)に配分し、その回復を突破口に経済全体を再建しようとする政策である。石炭を鉄鋼業へ、鉄鋼を炭鉱へ相互に集中投入する循環がねらいだった。
資金は復興金融金庫(復金)の融資で供給されたが、その原資は日銀引受けの復金債でまかなわれたため、通貨が増発されて復金インフレと呼ばれる激しいインフレーションを招いた。
このインフレを収束させるために実施されたのが、1949年のドッジ・ラインである。傾斜生産→復金インフレ→ドッジ・ラインという因果の流れで整理しておきたい。
ひっかけポイント
重点配分の対象は「石炭・鉄鋼」であり、消費財や農業ではない。復金インフレという副作用と、その収束策ドッジ・ラインへの接続が頻出。
選択肢の確認
①「石炭・鉄鋼などの基幹産業に資金と資材を重点的に配分して、生産の回復をめざした政策である」
✅ 正しい。
正解。傾斜生産方式は1946年末から石炭・鉄鋼などの基幹産業へ資金・資材を重点配分し、復興金融金庫の融資で支えた政策である。
②「消費財の生産を最優先し、重工業への投資を禁止した政策である」
❌ 誤り。
重点配分の対象は基幹産業の石炭・鉄鋼であり、消費財優先・重工業投資禁止は正反対である。
③「農業だけに国家予算を集中させた政策である」
❌ 誤り。
傾斜生産の対象は農業ではなく、石炭・鉄鋼という工業の基幹部門である。
④「外国企業の誘致によって工業化を進めた政策である」
❌ 誤り。
外国企業の誘致による工業化は傾斜生産方式の内容ではない。
覚えるポイント
- 傾斜生産方式=石炭・鉄鋼への重点配分(1946年末)
- 資金は復興金融金庫の融資
- 副作用の復金インフレがドッジ・ラインを招く
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。