PE7-036|公共・政治経済 対策問題
リカードの比較生産費説の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
各国が相対的に生産費の低い財の生産に特化して交換すれば、貿易に参加するどの国も利益を得られるとする理論である
この問題のポイント
比較生産費説の核心である「絶対的にではなく相対的に得意な財への特化」を理解しているかを問う問題。
解説
イギリスの経済学者リカードは、19世紀初めに比較生産費説を唱え、自由貿易の理論的な基礎を築いた。
ポイントは、比較するのが自国内での相対的な生産費(機会費用)だという点にある。たとえ一方の国がすべての財の生産で他国より優れていて(絶対優位)も、それぞれの国が国内で相対的に得意な財(比較優位を持つ財)に生産を特化し、貿易で交換し合えば、世界全体の生産量が増え、双方の国が利益を得られる。
つまり「すべてに劣る国にも比較優位の財は必ずある」ことを示した点が画期的だった。
この理論は国際分業と自由貿易を正当化する古典として現代まで影響力を持つ。一方で、途上国が一次産品の生産に固定化されるなど、比較優位に従うだけでは不利益が生じるという批判(リストの保護貿易論など)もあわせて押さえたい。
ひっかけポイント
「すべてに劣る国は貿易利益なし」が定番の誤りで、比較生産費説はまさにその逆を証明した理論。絶対優位(スミス)と比較優位(リカード)の区別も問われる。
選択肢の確認
①「自国の幼稚産業を関税で保護すべきだと説いた、保護貿易の理論である」
❌ 誤り。
誤答理由: 幼稚産業保護の関税を説いたのはリストの保護貿易論である。リカードは自由貿易を基礎づけた側である。
②「アダム・スミスが『諸国民の富』で初めて体系化した理論である」
❌ 誤り。
誤答理由: 比較生産費説を体系化したのはリカード『経済学および課税の原理』である。スミスは絶対優位に基づく分業論を説いた。
③「各国が相対的に生産費の低い財の生産に特化して交換すれば、貿易に参加するどの国も利益を得られるとする理論である」
✅ 正しい。
正解。リカードの比較生産費説は、各国が相対的に生産費の低い(比較優位を持つ)財に特化して交換すれば、全参加国が利益を得るとする。
④「すべての財の生産で他国より劣る国は、貿易からいっさい利益を得られないとする理論である」
❌ 誤り。
誤答理由: 比較生産費説の核心は、すべてに劣る国にも比較優位の財があり貿易利益を得られることの証明であり、この記述は理論の内容と正反対である。
覚えるポイント
- リカードが唱えた自由貿易の基礎理論
- 相対的に得意な財に特化すれば双方が利益
- 絶対優位で劣る国にも比較優位の財がある
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。