PE7-035|公共・政治経済 対策問題
「人間の安全保障」の考え方の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 4
正解
国家の防衛だけでなく、一人ひとりの人間の生存・生活・尊厳を貧困や紛争などの脅威から守ることを重視する考え方である
この問題のポイント
伝統的な国家の安全保障と対比される「人間の安全保障」の概念と、その提唱主体・日本外交との関係を問う問題。
解説
伝統的な安全保障は、軍事力によって国家を外部の攻撃から守ることを意味してきた。しかし冷戦後、内戦・貧困・感染症・環境破壊・人権侵害など、国家の枠組みでは守りきれない脅威が注目されるようになった。
そこで登場したのが「人間の安全保障」である。1994年にUNDP(国連開発計画)の『人間開発報告書』が提唱した概念で、一人ひとりの人間の生存・生活・尊厳を、「恐怖」(紛争・暴力)と「欠乏」(貧困・飢餓)から守ることをめざす。
日本はこの考え方を外交の柱の一つに位置づけ、UNHCRトップを務めた緒方貞子とアマルティア・センが共同議長を務めた人間の安全保障委員会の設置を主導し、国連に基金を設けるなどしてきた。国家の安全保障を否定するのではなく補完する概念である点が重要である。
ひっかけポイント
国家安全保障の「否定・置き換え」ではなく「補完」である点、世界政府論とは別物である点が判別点。提唱はUNDP(1994年)で冷戦期の米ソではない。
選択肢の確認
①「軍事力による国家の防衛のみを安全保障の対象とする伝統的な考え方である」
❌ 誤り。
誤答理由: 軍事力による国家防衛のみを対象とするのは伝統的な国家安全保障であり、人間の安全保障はそれを補完する新しい概念である。
②「国家主権を廃止し、世界政府の樹立を直接めざす構想である」
❌ 誤り。
誤答理由: 人間の安全保障は国家主権や国家の安全保障を否定するものではなく、補完する概念である。世界政府の樹立をめざす構想ではない。
③「冷戦期にアメリカとソ連が共同で提唱した軍事戦略である」
❌ 誤り。
誤答理由: 提唱したのは1994年のUNDP『人間開発報告書』であり、冷戦期の米ソではない。緒方貞子らが概念を発展させた。
④「国家の防衛だけでなく、一人ひとりの人間の生存・生活・尊厳を貧困や紛争などの脅威から守ることを重視する考え方である」
✅ 正しい。
正解。人間の安全保障は、国家の防衛だけでなく一人ひとりの生存・生活・尊厳を貧困や紛争などの脅威から守る考え方である。
覚えるポイント
- 一人ひとりの生存・生活・尊厳を守る考え方
- 1994年にUNDPが提唱、緒方貞子らが発展させた
- 国家の安全保障を補完する概念で日本外交の柱
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。