KZ-R8T-02|公共・政治経済 対策問題
表が題材とする経済制裁や国際安全保障の仕組みに関する知識として最も適切なものはどれか。

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正解: 2
正解
国連安全保障理事会の常任理事国は拒否権を持つため、常任理事国であるロシアに対する制裁決議は成立が困難であり、ウクライナ侵攻への経済制裁は欧米や日本などが個別に実施した
この問題のポイント
安全保障理事会の表決手続と拒否権の意味を、ウクライナ侵攻という具体例に当てはめて理解しているかを問う。
解説
国連の安全保障理事会は、国際の平和と安全の維持に主要な責任を負い、加盟国を法的に拘束する決議を出せる唯一の機関である。理事国は常任理事国5か国(アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国)と非常任理事国10か国からなる。
手続事項以外の実質事項の決議には、15理事国のうち9か国以上の賛成に加え、常任理事国が1か国も反対しないことが必要である。常任理事国の反対で決議を葬る力を拒否権という。
2022年のウクライナ侵攻では、当事国のロシア自身が常任理事国であるため、ロシアを非難し制裁する決議は拒否権で阻止された。そのためEU・アメリカ・日本などは、国連決議によらず各国・地域が独自の経済制裁(資産凍結、輸出入の制限など)を実施した。表のエネルギー輸入の激減はその表れである。
ひっかけポイント
安保理の表決は「全会一致」ではなく「9理事国以上の賛成+常任理事国の反対なし」。経済制裁は国連決議がなくても各国が独自に行える点も混同しやすい。
選択肢の確認
①「エネルギー安全保障とは、特定の国への資源依存度を高めて安定供給を図る考え方をいう」
❌ 誤り。
エネルギー安全保障は供給源の分散・多角化によって安定供給を確保する考え方であり、特定国への依存を高めるのは逆方向である。
②「国連安全保障理事会の常任理事国は拒否権を持つため、常任理事国であるロシアに対する制裁決議は成立が困難であり、ウクライナ侵攻への経済制裁は欧米や日本などが個別に実施した」
✅ 正しい。
正解。ロシアは拒否権を持つ常任理事国であるため安保理の制裁決議は成立せず、EU・アメリカ・日本などが個別に経済制裁を実施した。
③「経済制裁は、国連総会の決議がなければ各国が独自に行うことはできない」
❌ 誤り。
経済制裁は国連決議がなくても各国・地域が独自に実施できる。対ロシア制裁はまさにその例である。
④「国連安全保障理事会の決議の成立には、常任理事国を含む全理事国の全会一致が必要である」
❌ 誤り。
安保理の実質事項の表決は15理事国中9か国以上の賛成と常任理事国の反対なしが要件であり、全会一致ではない。
覚えるポイント
- 常任理事国5か国は拒否権を持つ
- 実質事項は9理事国以上の賛成+拒否権の不行使で成立
- 対ロシア制裁は欧米・日本などが個別に実施
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。