PE-C2-01|公共・政治経済 対策問題
安全保障の方式についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
集団安全保障とは、対立する国も含めた包括的な体制を作り、侵略を行った国に対して全体で制裁を加える仕組みである
この問題のポイント
勢力均衡と集団安全保障の違いを問う問題。「仮想敵と軍備で釣り合う勢力均衡」から「みんなで違反国を制裁する集団安全保障へ」という転換の理解で解ける。
解説
国家の安全を守る方式は、歴史の中で転換してきた。
第一次世界大戦前の方式は勢力均衡である。対立する国家群が同盟を組み、軍事力の釣り合いによって戦争を防ごうとする考え方だが、際限のない軍拡競争と同盟の対立を招き、大戦の勃発を防げなかった。
その反省から生まれたのが集団安全保障である。対立する国も含めて包括的な国際組織を作り、武力行使を禁止した上で、違反して侵略を行った国には全体で制裁を加える。この方式は国際連盟で初めて制度化され、国際連合に受け継がれた。安保理の経済制裁・軍事的措置はその中核である。
注意すべきは集団的自衛権との区別である。集団的自衛権は、同盟国など密接な関係にある国が攻撃されたとき、自国が攻撃されていなくても共同で防衛する権利(国連憲章51条)であり、特定の相手を想定する点で集団安全保障とは異なる概念である。
冷戦終結後も、湾岸戦争や旧ユーゴスラビア・ルワンダの内戦など地域紛争・民族紛争は頻発しており、消滅したわけではない。
ひっかけポイント
集団安全保障(体制内の違反国をみんなで制裁)と集団的自衛権(同盟国との共同防衛)の混同が最頻出。勢力均衡は大戦を防げなかった、という歴史的評価も逆転させられやすい。
選択肢の確認
①「集団安全保障と集団的自衛権は、同じ内容を指す言葉である」
❌ 誤り。
誤答理由: 集団的自衛権は密接な関係にある国への攻撃を共同で防衛する権利(国連憲章51条)であり、体制内の違反国を全体で制裁する集団安全保障とは別の概念である。
②「冷戦の終結後、世界の地域紛争や民族紛争はほぼ消滅した」
❌ 誤り。
誤答理由: 冷戦終結後も湾岸戦争、旧ユーゴスラビアやルワンダの内戦など地域紛争・民族紛争は頻発しており、消滅したという説明は事実に反する。
③「第一次世界大戦前の勢力均衡方式は、大戦の勃発を防ぐことに成功した」
❌ 誤り。
誤答理由: 勢力均衡方式は軍拡競争と同盟の対立を招き、第一次世界大戦の勃発を防げなかった。その反省から集団安全保障が生まれた。
④「集団安全保障とは、対立する国も含めた包括的な体制を作り、侵略を行った国に対して全体で制裁を加える仕組みである」
✅ 正しい。
正解。集団安全保障は、対立する国も含む包括的体制の内部で武力行使を禁じ、違反した侵略国に全体で制裁を加える方式で、国際連盟・国際連合が採用した。
覚えるポイント
- 勢力均衡は軍拡を招き第一次世界大戦を防げず
- 集団安全保障=違反国への全体制裁、連盟・国連が採用
- 集団的自衛権(51条)は別概念として区別する
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。