PE9-016|公共・政治経済 対策問題
リカードの比較生産費説の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
各国が相対的に得意な財の生産に特化して貿易すれば、双方の国が利益を得られる
この問題のポイント
比較生産費説の核心である「相対的な得意分野への特化」と「双方の利益」を理解しているかを問う。絶対優位との区別が軸。
解説
イギリスの経済学者リカードは、19世紀初めに比較生産費説を唱え、自由貿易の理論的な根拠を与えた。
ポイントは、絶対的な生産費の高低ではなく、自国内での相対的な得意・不得意(比較優位)で特化する財を決めることである。
たとえ一方の国が全ての財を他国より安く作れる(全てに絶対優位を持つ)場合でも、その国の中で「より得意な財」に特化し、他国は「不得意さがましな財」に特化して交換すれば、世界全体の生産量が増え、双方の国が利益を得られる。
この理論は国際分業と自由貿易を正当化する古典であり、これに対して19世紀ドイツのリストは、発展途上の国内産業を守る保護貿易を主張した。自由貿易と保護貿易の対立軸として、セットで問われることが多い。
ひっかけポイント
「全てに絶対優位を持つ国は貿易の利益がない」とする誤答が定番。比較優位は相対比較なので、どの国にも必ず特化すべき財がある。
選択肢の確認
①「各国は不得意な財の生産に特化すべきである」
❌ 誤り。
誤答理由: 特化すべきは不得意な財ではなく、相対的に得意な財である。理論の内容が逆になっている。
②「貿易の利益は輸出国にのみ生じ、輸入国には生じない」
❌ 誤り。
誤答理由: 貿易の利益は特化と交換によって輸出国・輸入国の双方に生じる。輸出国のみが得をするという重商主義的な理解は比較生産費説と異なる。
③「各国が相対的に得意な財の生産に特化して貿易すれば、双方の国が利益を得られる」
✅ 正しい。
正解。リカードの比較生産費説は、各国が国内で相対的に得意な財(比較優位財)に特化して貿易すれば、世界全体の生産が増えて双方が利益を得ると説く。
④「全ての財で生産費が安い国だけが貿易の利益を独占する」
❌ 誤り。
誤答理由: たとえ一方の国が全ての財に絶対優位を持っていても、相対的な得意分野は国ごとに必ずあり、双方に貿易の利益が生じるというのが理論の核心である。
覚えるポイント
- リカードの比較生産費説は自由貿易の理論的根拠
- 相対的に得意な財(比較優位財)に特化する
- 双方の国が利益を得る。保護貿易はリストが主張
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。